ジャパンディスプレイ(JDI)は2018年1月23日、スマホ、車載を除く用途向け事業で2020年度(2021年3月期)に売上高1000億円を目指すと明らかにした。
目指すのは、スマホ、クルマのさらに次――。
ジャパンディスプレイ(以下、JDI)は2018年1月23日、スマホ、車載を除く用途に向けてディスプレイ事業を展開する社内カンパニー「ディスプレイソリューションズカンパニー」の事業説明会を開催し、2020年度(2021年3月期)に同カンパニーで売上高1000億円を目指すと明らかにした。
JDIは経営再建策の一環として、2017年10月から社内カンパニー制に移行。主にスマホ向けの「モバイルカンパニー」、車載向けを主体に産業分野向けを手掛ける「車載インダストリアルカンパニー」と、スマホ、車載/産業向けを除く幅広い用途で事業を展開する「ディスプレイソリューションズカンパニー」の3カンパニーを置いた。ディスプレイソリューションズカンパニー社長を務めるJDI執行役員の湯田克久氏は「カンパニー制の狙いは、カンパニー内で事業判断を完結でき、事業判断を速く行うため。われわれのように新しい事業を立ち上げるには最適な体制」という。
ディスプレイソリューションズカンパニーの主力事業は現状、デジタルカメラ向け液晶事業だ。そこに「2017年度に1000万台出荷に達する」というウェアラブル端末向け反射LCD事業、VR(仮想現実)端末向けディスプレイ、ハイエンドノートPC向け液晶ディスプレイ事業の売上高を加え、年間売上高約500億円規模となっている。この売り上げ規模を2020年度までに1000億円へ倍増させるには、新事業の立ち上げが不可欠であり、湯田氏も「スマホ、車載に続くJDIの第3の事業の柱となる新規事業を立ち上げることが使命」と言い切る。
新規事業については、JDIのコア技術である低温ポリシリコン(LTPS)技術を生かせる領域とし「ディスプレイに固執せず、LTPSを生かせるのであれば、ディスプレイ以外のデバイスも手掛ける」という柔軟な姿勢を打ち出す。実際、この日、JDIは、3年ほど前から開発を進めてきたガラス基板上に形成する静電容量方式指紋センサー(ガラス指紋センサー)を2018年中に量産出荷すると発表。センサー市場に参入する。
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