低遅延の光アクセス技術、5G向けに活用可能:NTTが開発
NTTは、5G(第5世代移動通信)向けの技術として、低遅延の光アクセス技術を開発した。NTTビルなどに設置する光集約装置と基地局集約装置間の信号制御を連携させることで、データ送信の低遅延化が可能になるとする。
NTTは2018年2月14日、基地局の収容に必要な光ファイバーの数を削減できる、低遅延光アクセス技術を開発し、その実証実験に成功したと発表した。
今回開発したのは、「光宅内装置」とNTTビルの「光集約装置」の間を接続する光ファイバー通信(FTTH:Fiber To The Home)に使用されている光アクセスシステムを、5G(第5世代移動通信)モバイルシステムで活用するための技術である。
モバイルシステムにおける光アクセスシステムの活用方法 出典:NTT(クリックで拡大)
具体的には、光アクセスシステムの「光集約装置」とモバイルシステムの「基地局集約装置」の信号制御を連携させることで、光アクセスシステムの遅延を低減する。
従来の光アクセスシステムでは、
1)ユーザー端末からデータを送信すると、そのデータが光宅内装置に入力される
2)光宅内装置が光集約装置に送信データ量を通知
3)送信許可を受けた後に、初めて光集約装置にデータを送信
という手順でデータ送信が行われる。このため、データ送信に時間がかかり、遅延が大きい要因になっていた。1ミリ秒以下の低遅延が要求される5Gでは、これと同じ仕組みは適用できない。
NTTが実証実験に成功した技術を適用すると、基地局集約装置が、ユーザー端末の送信データ量を、事前に光集約装置に通知する。これができるのは、基地局集約装置が、ユーザー端末の送信データ量を、ユーザー端末から事前に通知されているからだ。
従来のデータ送信の仕組み(左)と、今回の仕組み。開発した技術では、光宅内装置に、あらかじめ送信許可が出されている 出典:NTT(クリックで拡大)
このように光アクセスシステムとモバイルシステムを連携することで、送信データ量の通知と送信許可が往復する手間を省くことができる。これによって、光アクセスシステムの低遅延化を実現できるという。
>>↑↑↑特集ページはコチラから↑↑↑<<
- 「有線技術なくして5Gは実現できない」 ノキア
5G(第5世代移動通信)の開発に取り組むNokia(ノキア)。ミリ波やMassive MIMOなど無線ネットワーク技術が重視されがちだが、ノキアは、固定ネットワーク技術の進化なくして5Gの実現はないと強調する。
- 半導体商社が“くまのぬいぐるみ”開発を行う理由
2016年3月、NTTドコモなど4社がコミュニケーションパートナー「ここくま」を発表した。ここくまとは、離れて暮らす家族と連絡が取れる“くまのぬいぐるみ”の形をしたロボットだ。4社のうち、開発マネジメントを担当したのが半導体商社のバイテックグローバルエレクトロニクスである。なぜ、同社がくまのぬいぐるみロボットの開発に携わったのか、鈴木裕二氏と西晃彦氏に話を聞いた。
- 人の“模倣”ではないAIで、未来を作る
NTTは、「R&Dフォーラム 2016」の一般公開を前に、主な展示をプレス向けに紹介した。AI(人工知能)を搭載した“ぶつからないクルマ”や、眼球の動きから“好みのタイプ”を判別する技術、VR(仮想現実)を利用したスポーツトレーニングのデモなどが披露された。
- 振動を利用して“手を引かれる感覚”を再現、歩行ナビに応用
NTTは、「NTT R&D フォーラム 2014」において、NTTグループやパートナー企業との研究成果を発表した。振動を利用する歩行ナビゲーション機能や、8Kの映像をブラジルから日本に転送する技術、着るだけで心拍などを計測できるウェアなどを紹介した。
- 5Gで8K映像のリアルタイム伝送に成功
NTTドコモとNokia(ノキア)は、8K映像のリアルタイム5G(第5世代移動通信)無線伝送に「世界で初めて成功した」と発表した。
- AI+5G+IoTの融合、具体的に見え始めたCES 2018
情報通信総合研究所は2018年1月31日、東京都内で「CES 2018」を振り返る勉強会を報道機関向けに行った。今回のCESは、5G(第5世代移動通信)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)が融合したサービスが、より具現化されて見え始めた展示会だったという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.