データ専門家でなくともAIを、DataRobotが新サービス : “AIの民主化”を推進 (2/2 ページ)
DataRobotは、2012年に米国ボストンで設立された機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」を開発、提供するベンチャー企業。同社には、データサイエンティストがそれぞれ自身の技術力を競い合うコミュニティー「Kaggle」においてランキング1位を取得した開発者が3人在籍するなど、DataRobotには世界最先端の機械学習アルゴリズムを集約していることが特長だ。
また、データから予測モデルの生成、実装までをシンプルなUI(ユーザーインタフェース)で行えるため、データの解析専任でない業務部門の社員においても機械学習から得た知見を実際のビジネス現場へ展開できることを強みとする。
DataRobotの特長(クリックで拡大)
大阪ガス 河本薫氏
会見では、同社顧客である大阪ガス情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長の河本薫氏が登壇し、DataRobotの選定理由を語った。大阪ガスでは、給湯器やガスコンロといったガス機器のIoT(モノのインターネット)化を進めており、収集したデータを用いて各家庭のガス機器故障検知や、インフラの故障予防保全を可能にした。
その同社でデータ分析チームを率いる河本氏は「一番の理由は、UI。(データを)入力するのも使いやすく、(予測モデルの)アウトプットを見るのも使いやすい」として、「他にも似たようなソリューションがある中、そのほとんどは(UIへの慣れや機械学習の知識が無ければ)使いにくいものだったが、DataRobotは非常に使いやすい」と導入理由を語る。
DataRobotの分析ユーザーインタフェース
さらに、DataRobotを導入した効果として、分析に必要な作業コストが減少したため「データから価値を創造することの機会損失の発生を防ぐ」(河本氏)ことを挙げた。河本氏は、以下は例示で実際に同社で行った分析ではないと前置きしつつ“ガス機器の使用状況からその家庭で赤ちゃんが生まれたか”のような関連性を見いだせないような分析に挑戦できているとする。
河本氏は、「データセットさえ用意すれば(DataRobotの)ボタン1つで分析できるため、今まで無理だと思っていた解析もとりあえずやってみようかということができている」と述べた。
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