アンリツは、ネットワーク伝送品質を評価できるポータブル測定器「ネットワークマスタ プロMT1000A」に、5G(第5世代移動通信)基地局のインタフェースとなる「eCPRI/RoE測定」と「高精度遅延測定」の機能を追加する。
アンリツは2018年3月、ネットワーク伝送品質を評価できるポータブル測定器「ネットワークマスタ プロMT1000A」に、5G(第5世代移動通信)基地局のインタフェースとなる「eCPRI/RoE測定」と「高精度遅延測定」の機能を追加するためのソフトウェアを発表した。
MT1000Aは、通信速度が10M〜100Gビット/秒までのネットワークシステムにおける伝送品質を評価することができる測定器である。伝送装置やネットワーク回線のパフォーマンス限界を測定する「RFC 2544」試験や、ITU-T(国際電気通信連合標準化部門)が規格化したネットワークの測定規格である「Y.1564」試験に加えて、周波数同期に関する「Sync E」試験や、IEEEで策定されたパケットペースの時刻同期方法である「IEEE 1588v2」試験などを行うことができる。
オプションの高精度GPS同期発振器「MU100090A」を併用すると、GPSから取得した時刻情報に基づき時刻同期試験や離れた場所にある2台のMT1000A間の片方向遅延を高精度に測定することができるという。
そして今回、5Gの測定機能を強化した。バージョンアップしたソフトウェアをMT1000Aにインストールすることで、eCPLI/RoEのスループットや遅延測定、高精度な時刻同期試験なども含め、さまざまな通信ネットワークの評価を1台で行うことが可能となった。
また、MT1000Aをマスター機とスレーブ機として2点間で連携させることができる。これにより、マスター機でアップリンクの通信速度を、遠隔にあるスレーブ機でダウンリンクの通信速度を、それぞれ測定することができる。
MT1000Aは単体で自動試験や自動合否判定を行うことができ、外部PCなどを用いる必要がない。このため、測定作業者の経験や知識に依存することなく、効率よく均質な測定結果を得ることができるという。
追加機能を搭載したMT1000Aは、通信ネットワークやデータセンターの開通、保守、トラブルシューティングおよび、通信装置の簡易評価などの用途に向ける。
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