次に、2018 Symposium on VLSI Circuitsでは、投稿論文数が362本、採択論文数が104本となった。投稿論文数はほぼ例年通りで、採択論文数も近年のホノルル開催会議で最も多い水準だという。
地域別の採択論文数トップ3は、米国が44本、韓国が13本、中国(香港とマカオ含む)が11本となった。中国は、香港とマカオを含まないとしても8本の採択論文があり大きくジャンプアップしたとする一方、日本は10本の採択数にとどまり減少トレンドにあるという。
投稿論文の分野構成では、センサー分野の増加トレンドが継続しているほか、AI(人工知能)ブームに関連してプロセッサなどのデジタル領域に関連した論文が大幅に増加した。
2018 Symposium on VLSI Technologyの注目論文について、同シンポジウム プログラム委員長の山川真弥氏が紹介しており、この内3本の概要を紹介する。
パナソニックは、IoT(モノのインターネット)での活用を想定した超消費電力の水素センサー技術を発表する。このセンサーは0.18μmノードのReRAM(Ta2O5)を使用しており、高感度と体積分率で4%までと広い測定濃度範囲を両立した。また、従来のセンサーで必要だったヒーターを排し、動作電力は0.35mWとなっている。
IBMとFraunhofer IAFは、圧倒的な高周波特性を持つ絶縁膜上InGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)MOSFETを発表する。シリコン基板の上に、酸化層(BOX)を形成しIII-V化合物のMOSFETを形成している。
低電圧ロジック向けのFinFETと高周波用途向けのプレーナ型MOSFETを同一基板上で集積しており、FinFETではft/fmax=400/100GHz、プレーナ型MOSFETではft/fmax=215/300GHzと非常に良い高周波特性を達成した。
Samusungは、EUV露光を用いて製造された7nmロジックプラットフォームを発表する。このプラットフォームでは、配線層まで含めてEUVの1回露光技術で製造されており、10nm世代と比較して、20〜30%の動作速度向上と50〜60%の消費電力低減を果たした。
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