非接触心拍センサーから7nmプロセスまで、VLSIの今 : VLSIシンポジウム2018プレビュー (3/3 ページ)
2018 Symposium on VLSI Technologyの注目論文は、2本の概要を紹介する。
静岡大学、ブルックマンテクノロジー、千葉大学は、非接触で心拍数を計測できる近赤外CMOSイメージセンサーを発表する。従来の非接触心拍センサーでは、明るい環境光下でのノイズ耐性が問題となっていたが、本センサーでは2タップ型電荷転送素子と低ノイズ読み出し装置を組み合わせて、自然光下においても98%以上の検出精度を達成した。
非接触で心拍数を計測できる近赤外CMOSイメージセンサー(クリックで拡大) 出典:VLSIシンポジウム委員会
Intelは、生物の脳神経回路におけるニューロン内部電位に着目したニューラルネットワーク「スパイキングニューラルネットワーク(SNN)」のスループットとエネルギー効率を改善したSNN専用チップを発表する。このチップは、疎結合、確率的動作、電圧スケーリングなど多彩な技術を組み合わせており、10nmプロセスで製造されている。
これら技術により、以前に報告された結果と比較すると、スループットは4倍以上、エネルギー効率は6倍以上もの改善に成功した。
スループットとエネルギー効率を改善したSNNチップ(クリックで拡大) 出典:VLSIシンポジウム委員会
14nm SoCや新規メモリなどの研究成果を発表へ――日本の採択論文数は米国に次ぐ計27件
2015年6月に開催される国際学会「VLSI Technologyシンポジウム」と「VLSI Circuitsシンポジウム」の概要が明らかになった。IoT(モノのインターネット)社会の実現に向けたLSIのデバイス技術と回路技術などに関して、最先端の研究成果が披露される予定である。
0.03μm2のSRAMから最先端のIII-V族FinFETまで
米国ハワイで2016年6月13〜16日に開催される「VLSI Symposia on VLSI Technology and Circuits(以下、VLSIシンポジウム)」は、最先端の半導体デバイス/回路技術が一堂に会する国際会議だ。VLSIシンポジウムを実行するVLSIシンポジウム委員会は4月20日、都内で記者説明会を開催し、同イベントの概要と注目論文を紹介した。
AIは“人の脳への回帰”でさらに進化する?
AI(人工知能)をさらに発展させるヒントは、人間の脳にあるかもしれない。「ISSCC 2018」で、フランスCEA-Letiに聞いた。
7nmプロセスの開発が加速、EUVの導入も現実的に
ファウンドリー各社が7nmプロセスの開発を加速している。さらに、半導体製造装置メーカーのASMLもEUV(極端紫外線)リソグラフィシステムの開発を順調に進めている。
7nmプロセス開発、ファウンドリー間の競争激化
2016年12月に米国で開催される、最先端電子デバイスの研究開発に関する国際学会「IEDM 2016」で、TSMCが7nmプロセスに関する発表を行う。7nmプロセスの研究開発では、TSMC、GLOBALFOUNDRIES(GF)、Samsung Electronics(サムスン電子)が火花を散らしている。
量子トンネルFETを酸化物半導体とSi系材料で実現
東京大学大学院工学研究科教授の高木信一氏らは2017年12月4日、極めて小さな電圧制御で動作可能な量子トンネル電界効果トランジスタを開発したと発表した。
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