「Symposium on VLSI Technology」と「Symposium on VLSI Circuits」が2018年も米国ハワイ州ホノルルで開催される。本稿では、両会議の概要と注目論文を紹介する。
VLSIシンポジウム委員会は2018年4月17日、都内で会見を開催し、半導体のデバイス技術と回路技術を取り扱う国際会議「2018 Symposium on VLSI Technology」と「2018 Symposium on VLSI Circuits」の概要説明と注目論文の紹介を行った。
2018 Symposium on VLSI Technology/Circuitsの両会議は、2018年6月18〜22日より米国ハワイ州ホノルルで同時開催される。Symposium on VLSI Technologyは1981年から、Symposium on VLSI Circuitsは1987年から開催と歴史ある国際会議であり、ハワイと京都の2都市交互開催が伝統となっている。2018年に開催される両会議においても、その歴史に違わず半導体に関する先端技術や革新的な回路設計に関して多くの発表がなされる予定だ。
本稿では、両会議の論文採択状況から見る各国の半導体研究動向と、会議で発表予定の注目論文を紹介する。
両会議は、テーマを「質の高いより快適な生活のための、デバイス技術、回路、システム」と銘打ち、多くの投稿論文からテーマに合致した論文を採択し講演プログラムに組み込んでいる。
まず、2018 Symposium on VLSI Technologyでは、投稿論文数が186本、採択論文数が75本となった。前年の京都開催会議と比較して投稿数と採択数は共に増加したが、前回のハワイ開催会議(2016年開催)との比較ではどちらも減少となっている。
地域別の投稿論文数トップ3は、米国が48本、日本が26本、韓国および台湾がそれぞれ22本との結果になった。同シンポジウム委員長の昌原明植氏によると、ここ数年見られていた米国と日本の減少傾向が落ち着きを見せたが、台湾が大きく減少に転じたという。また、地域別の採択論文数トップ3、米国が20本、日本が13本、ベルギーが10本である。
また、アジア地区での採択論文を技術種別に見ると、地域色が垣間見える結果となった。日本は幅広いテーマを扱っているが特にセンサー領域、韓国はCMOSプラットフォーム、台湾はシリコン以降のBeyond CMOSを意識した論文が多く採択されているという。
機関別に採択数を見ると、トップはIMECの10本、2位はSamsungの6本、3位はGLOBALFOUNDRIESの5本という結果だった。日本勢は、東京大学とパナソニックがそれぞれ3本、東芝が2本となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.