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» 2018年04月26日 18時00分 公開

実運用を想定した産業用ドローンの無線通信 〜 無線通信と組込みソフトの業界団体が連携したアプローチJASA発IoT通信(8)(3/4 ページ)

[小林佳和(MCPCワイヤレスシステム活用委員会委員長),EE Times Japan]

要件定義(ドローンの密集度)

 まず、想定される利活用方法に応じてドローンの密集度を定義してみた。

図5-1 図5-1:ドローンの密集度の定義する上での前提条件。国土交通省の「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」で、定められている飛行の禁止空域(上図)と承認が必要となる飛行の方法(下図) 出典:国土交通省 無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン
図5-2 図5-2:ドローンの密集度の定義

 図5に示したように、JASAでは、衝突回避の検討例として、半径1m〜30cm、30cm以下の検討をしてきた。また、ドローンでの物流時における、移動速度を時速60kmと仮定し、ドローンの回避制御機能を考慮しながら、複数のドローン同士が安全に飛行できる、機体同士の距離を検討したところ、40m3で1機あるいは1編隊が望ましいことが分かった。国土交通省が規定するドローンの飛行可能高度が上空150mまでのため、150m3の空間の場合には約27機のドローンが飛行できる計算となる。

 JASAとMCPCでは、この150m3の空間内で、27機とのそれぞれと通信をいかにして確保するかの検討を実施している。

要件定義(航路)

 密集度の定義の次は、そのドローンの交通整理が必要と考える(図6)。航路を用いて、ドローンの安全性と運行効率を高める方法を検討している。また、国の検討する安全基準も盛り込んで検討している(国土交通省:「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」参照)。

 航路を用いることで、安全性がなぜ上がるのかは、車における高速道路や幹線道路の効果を考えると分かりやすい。ドローンの航路も上りや下りの道を用意し、さらにMCPCとJASAとの連携検討では“本線と迂回(うかい)路”を設けることで、さらに安全性や効率は高まるとみている。

図6 図6:自動車の道路のように、ドローンにも航路を用いることで安全性、輸送効率を高められる

 “本線と迂回路”を設けることで、異なる速度のドローンの共存(図7)が図れるようになる。バッテリーやモーターの加熱など異常が生じ、著しく速度が落ちたドローンを迂回路に逃がすことができる。そして、こうした考え方を基盤に、より具体的に、ドローンで安全な輸送を実現できる航路に関する検討を実施した。

図7 図7:ドローンが渋滞するとどうなるか?

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