リング共振器の共振周波数は、リングの周長と実効屈折率によって決まる。ここで重要なのが、実効屈折率がシリコン光導波路の寸法と周囲温度によって変化することだ。
寸法依存性について述べると、シリコン光導波路の幅が1nm増加すると、共振波長は1nmほど伸びる。シリコン光導波路の高さが1nm増加すると、共振波長は2nmほど伸びる。これは、リング共振器の加工寸法に均一性が要求されることを意味する。先に述べたダブルリング共振器は、加工寸法のばらつきを緩和する手法でもある。
また温度依存性について述べると、温度が1℃上昇すると共振波長は0.08nmほど伸びる。
温度によって共振波長が変化するという性質は、温度を制御することで共振波長と位相を制御できるということを意味する。そこで金属配線やシリコン配線などを使ったヒーター(抵抗加熱素子)によってリング共振器やシリコン光導波路などの位相を制御する。
例えば180度の位相変化(位相反転)に必要な電力は約20mWになる。位相反転に必要な時間(時定数)は2マイクロ秒〜20マイクロ秒ほどである。
光導波路の温度を変えるヒーターの例。左は、考案されている各種のヒーター。タングステン配線に電流を流す、シリコンに不純物元素をドープして電流を流す、といったヒーターが考えられている。右は、2本のタングステン配線ヒーターによってシリコン光導波路を加熱したときの温度分布 出典:imec(クリックで拡大)(次回に続く)
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