ストレージやネットワークなどに強みを持つファブレス半導体ベンダーのMarvell Semiconductorで、オートモーティブ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーのWill Chu氏に、将来の自動車に求められるエレクトロニクス技術や同社の事業戦略について聞いた。
技術革新が続く自動車業界。エレクトロニクスが深く関わる自動車の「電動化」「自動運転」「コネクティビティ」といったキーワードは、自動車を取り巻くトレンドとして既に見慣れたものとなっており、今後これまで以上に自動車業界とエレクトロニクス業界は接近していくだろう。
EE Times Japanでは「エレクトロニクスメーカーが展望する自動車の未来」と題し、各社の車載事業を統括するトップに対してインタビューを行っている。今回は、ストレージやネットワークなどに強みを持つファブレス半導体ベンダーのMarvell Semiconductorで、オートモーティブ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーのWill Chu氏に、将来の自動車に求められるエレクトロニクス技術や同社の事業戦略について聞いた。
EE Times Japan(以下、EETJ) 現在、そして将来の自動車ではエレクトロニクスの存在が必要不可欠となっています。では、どのようなエレクトロニクス技術が今後求められるのでしょうか。
Will Chu氏 車載イーサネットが全ての自動車に搭載されると考えている。搭載されるかされないか、といったレベルの話は過ぎ去り、「いつ」搭載されるかということを話し合う段階に入った。
自動運転・コネクティビティ技術は、車載システム上でさまざまなアプリケーションが動作する。これらアプリケーションの動作を支えるバックボーンとして、高速な車載ネットワークが必要とされており、車載ネットワークのさらなる高速化についてニーズは高まる一方だ。
EETJ 車載ネットワークについて、Marvellはどのような価値を提供していますか。
Chu氏 Marvellは、1995年に設立されたファブレス半導体メーカーだ。ストレージコントローラーや、ワイヤレスソリューション、ネットワークプロセッサ、イーサネットなど多くの分野で実績があり、高速ネットワークとセキュリティ技術に一日の長があった。
この経験を生かし、車載分野でもイーサネット規格を車載向けにアレンジした100BASE-T1や1000BASE-T1に準拠したPHYトランシーバーIC、イーサネットスイッチなどをオートモーティブ向けの製品ポートフォリオに取りそろえている。
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