Chu氏 また、自動運転機能ではセキュリティの確保が非常に重要で、セキュアな自動運転システムを構築するためにはベースとなる車載ネットワークからセキュリティを高める必要がある。Marvellでは、業界初となるセキュア車載イーサネットスイッチ「88Q5050」を発表しており、NVIDIAの自動運転プラットフォームであるDRIVE Pegasusにもこのチップが組み込まれている。この分野でNVIDIAと提携ができたことは非常にうれしい。
EETJ 自動車が処理するデータ量がより増大することで、将来では帯域幅が1Gビット/秒(bps)以上の車載ネットワークが求められていると聞きます。
Chu氏 そうだ。顧客からそのような要望を受けている。1Gbps以上のマルチギガクラスの車載ネットワーク規格については、MarvellでもIEEEの作業部会とさまざまなやりとりを行っており、どのようなスペックの製品が必要か検討を行っている。
EETJ 一部企業では、10Gbpsクラス車載ネットワークとしてEMC(電磁両立性)に有利な光通信技術を開発し、同技術を利用して通信規格を策定する動きがあります。Marvellは、10Gbpsクラス車載ネットワークについてどのような方針を取っていますか。
Chu氏 現時点では、10Gbpsクラスネットワークを電気通信で提供しようと技術開発するベンダーが多いだろう。Marvellでも、当面は電気通信を用いた10Gbpsネットワークの開発に向け、リサーチを続ける予定だ。
EMCについては、Marvellでは北米にオートモーティブ向けとなるCISPR 25に準拠した最新鋭EMC試験施設を設立し、製品の開発・試験体制を強化した。この取り組みはMarvellの自動車業界の顧客に対するコミットメントの表れだ。電気通信を用いた10Gbpsネットワークの開発についても、同施設を活用することによりEMC対策が効率的に行えるだろう。
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