パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、部品実装の信頼性を高め、大電流にも対応するガラスコンポジット基板材料を開発し、量産を始めた。
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2018年6月、部品実装の信頼性を高め、大電流にも対応するガラスコンポジット基板材料を開発し、量産を始めると発表した。車載機器や産業機器の電子回路基板などの用途に向ける。
新たに開発したCEM-3グレードのガラスコンポジット基板材料「R-1785」は、熱膨張係数が15〜17ppm/℃(板厚0.8mm時)である。同社従来品の20〜23ppm/℃(板厚0.8mm時)に比べて小さく、CEM-3グレードのガラスコンポジット基板材料では業界最小(同社調べ)という。
ガラスコンポジット基板材料は、ガラスエポキシ基板材料に比べて加工性やコスト面で優位な半面、大きな熱膨張係数が課題であった。新製品は独自の製造工法と樹脂設計技術により、熱膨張係数を小さくすることで、部品の実装信頼性を高めた。
回路間絶縁性の指標となる耐トラッキング性を高めることで、大電流基板の小型化にも対応した。新製品は耐トラッキング性が最高クラスのPLC=0(600V以上)を達成している。同社従来製品は、175〜250Vであった。この特性を実現したことで、電子回路基板の設計において、より微細な配線が可能となる。
さらに、高い板厚精度を実現することで電子回路基板の安定動作を可能にした。新製品は独自の成型工程を採用しており、板厚が1.6mmの場合精度は±0.05mmと、従来品に比べ2倍の精度を実現した。これによってインピーダンス精度も向上したという。
同社は、「JPCA Show 2018」(2018年6月6〜8日、東京ビッグサイト)に新製品を出展する予定だ。
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