パナソニックは「JPCA Show 2018」(2018年6月6〜8日、東京ビッグサイト)で、独自に開発した、ハロゲンフリーの低伝送損失基板材料「R-5515」について展示した。車載用ミリ波レーダーや5G(第5世代移動通信)基地局用の基板をターゲットとする。
パナソニックは「JPCA Show 2018」(2018年6月6〜8日、東京ビッグサイト)で、独自に開発した、ハロゲンフリーの低伝送損失基板材料「R-5515」について展示した。車載用ミリ波レーダーや5G(第5世代移動通信)基地局用の基板をターゲットとする。
現在、高周波やミリ波向けには、PTFE(フッ素樹脂基板)が一般的に使われている。だが、PTFEはコストが高い。そこでパナソニックは、PTFEよりも低コストかつ同等以上の特性が出る基板材料を開発することを目指した。
R-5515は、PTFEに比べ、ミリ波帯における伝送損失が20%改善するという。具体的には、車載用ミリ波レーダーでよく使われる79GHz帯における伝送損失は0.079dB/mmを実現した。さらに、125℃の高温でも電気特性を維持できるとする。
パナソニックは、寸法の安定性と使いやすさも実現したと述べる。R-5515ベースの基板は、温度をかけると、同じ方向に均等に縮む。そのため、ホールの位置など基板設計がしやすいという。さらに、「基板が柔らかいと、かえってホールを開けにくい」というユーザーの声を反映し、適度な硬さを実現。ホールを開けやすくした。
コストをどのくらい低減できるかについては、「顧客の設計にもよるので、明確には言えないが、従来のPTFEを使うよりも、確実に安価になる」と述べるにとどまった。
R-5515は現在開発中だが、2018年8月をめどにβサンプルを一部の顧客向けに提供を開始する。量産は、2019年4月の開始を目指す。
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