フラッシュメモリは最大64Mバイトを内蔵(他に16Mバイト品、32Mバイト品)。OTA機能を用いソフトウェアを更新する際も、豊富なフラッシュメモリ容量によりメモリ領域を複数に分割し、動作を止めることなくソフト更新が行える「ゼロ・プロセッサ・ダウンタイムOTAアップデート」が行える。
S32Sは、Arm Cortex-Aシリーズなどロックステップ動作に対応しないCPUコアを搭載するケースの多い自動運転制御用メインプロセッサの監視用MPU/MCUとしての利用を想定。メインプロセッサとの通信用にインタフェースとしてPCI Express(PCIe)を備えている。
「これまで単独で存在したブレーキやステアリングなど安全走行制御系ECUを統合する動きも活発であり、そうした統合型安全走行制御系ECUのMPU/MCUとして、豊富なペリフェラルを搭載するS32Sは最適」とする。S32Sが搭載するペリフェラルは、CAN FD、LIN、FlexRay、SPI、I2C、5VI/Oなど一般的なインタフェースの他、高精度逐次比較型A-Dコンバーターなどモーターコントロール用のアナログペリフェラルも備えている。
S32Sは、ロジック部は16nm、アナログペリフェラル部は55nmと別プロセスを採用し「各回路に応じて最適なプロセスを採用している」という。フラッシュメモリ部も別チップで、3チップを1パッケージに封止するSiP(System in Package)となっている。「SiPは、既に車載市場で多くの実績を持っている。アナログペリフェラル部は、従来製品と同一のプロセスであり、高い互換性を保てる点もS32の特長」と語る。
S32Sでは、新たな機能として「フェール・オペレーション機能」を搭載した。「従来、フォルトが発生した場合、MCU/MPUはリセットこそかかるが、フォルトが発生したコアを特定できなかった。S32Sは、フォルトが発生したコアを特定、隔離し、他のコアで機能は制限されるものの動作を継続することができるようになった。故障が発生したものの、とりあえずは家まで帰ることができるというようなオペレーションが可能になるはず」としている。
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