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富士通三重工場の売却も決定……これからどうなる? 日本の半導体工場大山聡の業界スコープ(7)(1/3 ページ)

2018年6月末、旧富士通三重工場を運営する三重富士通セミコンダクターが台湾のUMCに売却され、2019年1月にはUMCの完全子会社となると発表された。今回の売却も含めて“日本の半導体工場”の現状および、今後の方向性について考えてみたい。

» 2018年07月05日 11時30分 公開
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 2018年6月29日、台湾の専業ファウンドリーであるUMC*)と富士通セミコンダクターは、三重富士通セミコンダクター(MIFS)の全株式をUMCが取得することで合意したと発表した。UMCは現在MIFSの株式を15.9%保有しており、残りの84.1%の株式を富士通セミコンダクターから約576億円で取得する。譲渡手続きは、関連当局の承認を経て2019年1月1日の完了を予定しているという(関連記事:UMCが三重富士通を買収へ、全株式の取得で合意)。

*)UMC:United Microelectronics Corporation

半導体の連結外し

 富士通三重工場(現:MIFS)の売却にはこれまでさまざまな経緯があり、これでようやく決着を見ることになりそうだ。ここではこの売却を含めて、日本の半導体工場の現状および、今後の方向性について考えてみたい。

 富士通はこれまで、三重工場の他に岩手工場、会津若松工場をウエハー工程ラインとして保有していた。岩手工場は2012年4月にデンソーへの売却が決定し、同年10月には譲渡手続きが完了している(関連記事:デンソーが富士通セミコンの岩手工場を買収)。会津若松工場は2017年10月、ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)へ段階的に譲渡されることで合意、発表された。合意時点ではON Semiconductorの同工場への出資比率は40%だったが、2018年後半には60%、2020年前半には100%と出資比率を引き上げる予定である(関連記事:富士通セミコン会津200mm工場、オンセミが買収へ)。そして今回の三重工場の売却決定によって、富士通グループはすべての半導体工場を売却することになる(後工程ラインは、2012年8月にジェイデバイスへの売却が発表され、すでに譲渡が完了している)

 富士通が半導体事業を分社したのは2008年3月。しばらくの間は富士通が100%子会社として連結していたが、いずれは連結から切り離したいという意向が明確にあり、分社された半導体子会社(=富士通セミコンダクター)側は、どの企業と提携するか、どのタイミングでどのように上場するか、といった第三者の資本注入に関する議論が内部で行われていた。

 「半導体の連結外し」は富士通以外でも、日立製作所、三菱電機、NEC、三洋電機、リコー、セイコーインスツルなどで実施されてきた。グループ内に半導体事業を抱える必要性がない、収益悪化のリスクが大きい、といった理由はおおむね共通しており、いずれの会社も半導体事業を連結から外している。

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