市場調査会社のIC Insightsによると、ここ数年間で半導体業界に巻き起こった大規模M&Aの時代は、少なくとも取引規模ではピークに達している可能性がある。
市場調査会社のIC Insightsによると、ここ数年間で半導体業界に巻き起こった大規模M&Aの時代は、少なくとも取引規模ではピークに達している可能性がある。
2018年7月、QualcommによるNXP Semiconductors(以下、NXP)買収という、440億米ドルの案件が解消したが、こうした規制当局による審査の厳格化、高額取引の複雑化、貿易戦争の影響など、さまざまな要因が入り組んで、大型買収案件の減少につながったとIC Insightsはみている。
IC Insightsはプレスリリースで、「現在の地政学的環境や貿易摩擦などによって、400億米ドルを超えるM&Aの案件が発生する可能性は極めて低い」と分析している。
これまでに発表された半導体メーカーの大型買収10件のうち、8件は過去3年間で行われている。
2016年10月にNXP買収を発表したQualcommは、買収完了間近と言いながら、中国当局からの承認を待てずに断念した。そのQualcommもBroadcomから買収提案を持ちかけられていたが、こちらは2018年3月に、米トランプ大統領の大統領令によって阻止されている。中国の企業に、セルラー技術が流出するのを懸念しての判断だったとされている。
IC Insightsは、2015年から2018年半ばにおける半導体業界のM&Aの取引金額は、2450億米ドルと見積もっている。取引規模が最大だったのは2015年で、1073億米ドルに上る。同社は、2018年前半における取引金額は、96億米ドルとしている。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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