必要なのは“適応力”、Xilinxが7nmプラットフォーム「Versal」を発表:XDF 2018(2/2 ページ)
Versalでは、主に機械学習の推論を高速に行うことを目的とした「AI Edgeシリーズ」「AI Coreシリーズ」「AI RFシリーズ」と、より汎用的な位置付けとなる「Primeシリーズ」「Premiumシリーズ」「HBMシリーズ」の6種類をラインアップしている。これらのラインアップで、エッジからクラウドまで、あらゆるアプリケーションに対応するのがXilinxの狙いだ。
XDF 2018では、Versalの最初の製品としてPrimeシリーズとAI Coreシリーズの2つが発表された。Primeシリーズは、Versalのミッドレンジ品と位置付けている。特にコネクティビティの用途に最適化したシリーズで、AIエンジンは搭載しておらず、DSPエンジンを搭載している。想定している主な用途は、データセンターネットワークや医療イメージング、ブロードキャストスイッチなど。
「Primeシリーズ」を用いたアクセラレーターでは、CPUを用いたアクセラレーターに比べて、処理性能が17倍に向上するという 出典:Xilinx(クリックで拡大)
一方のAI Coreシリーズは、AIエンジンのみが搭載されている。推論を極めて低遅延で行えることが特長だとする。クラウドやネットワーキング、自動運転といったアプリケーションに適している。
「GoogLeNet(Inception V1)」において推論を行った時のスループットを、「AI Coreシリーズ」、CPU、GPUで比較した(遅延は7ミリ秒以下) 出典:Xilinx(クリックで拡大)
AI Coreシリーズ、Primeシリーズは2019年下半期に出荷を開始する予定で、以降、2020年前半にAI EdgeシリーズとPremiumシリーズ、後半にAI RFシリーズ、2021年にHBMシリーズが順次出荷される予定だ。
Versalのロードマップ 出典:Xilinx(クリックで拡大)
Peng氏は、「Xilinxのミッションは、適応力のあるインテリジェントな世界を作り上げることだ」と語った。
- Intel、最上位FPGA「Stratix 10」の搭載カードを発表
Intelは2018年9月25日(米国時間)、同社製FPGA「Stratix 10 SX」を搭載したプログラマブルアクセラレーションカード(PAC)を発表した。既に発表済みとなるミッドレンジFPGA「Arria 10」搭載版PACとともに、データセンターアプリケーション向けポートフォリオを拡充する。
- XilinxがDaimlerと協業、「自動運転の主役はFPGA」
Xilinxは2018年6月26日(米国時間)、Daimler AGと自動運転などの車載システム開発で協業すると発表した。Xilinxの車載プラットフォームをDaimler AGに提供し、Mercedes-Benzブランドの市販車に搭載する予定だ。
- “FPGAaaS”は業界に浸透するのか?(前編)
「FPGAaaS(FPGA-as-a-Service:サービスとしてのFPGA)」のコンセプトが登場している。FPGAaaSは、FPGA業界にどのような影響を与えるのだろうか。
- AI性能20倍、Xilinxが7nm世代製品「ACAP」発表
Xilinxは2018年3月19日(米国時間)、7nmプロセスを用いる新たな製品群「ACAP」(エーキャップ)を発表した。新たなプログラマブル演算エンジンなどを搭載し、現行のFPGA製品よりも20倍高いAI(人工知能)演算性能を発揮するという。
- 96Boards CE対応のZynq搭載開発ボード
Avnet(アヴネット)は2018年3月、XilinxのCPUコア内蔵型FPGA「Zynq UltraScale+ MPSoC」を搭載した開発ボード「Ultra96ボード」を発表した。
- 機械学習機能や5G無線を実現する最新FPGA
ザイリンクスは、「Embedded Technology 2017(ET 2017)/IoT Technology 2017」で、「Zynq UltraScale+RFSoC」のデモ展示や、「reVISIONスタック」を活用したビジョンシステムの開発事例などを紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.