2019年3月期の連結業績に与える影響は、現時点では不明だが、業績予想を見直す必要が生じた場合は適時公表するという。なお、今年度(2018年度)は日立化成にとって中期経営計画の最終年度に当たる。不適切検査が発覚した製品には、同社が成長分野と掲げている分野の製品も多数含まれている。ただ、現時点では製品の不具合が認められた例がないこともあり、中期計画について注力分野やリソースのかけ方についての大きな変更はないという。
これだけ広範の製品にわたり不適切な検査が行われていた背景について丸山氏は、「経営者として重く受け止め、責任を感じている」と言及。「特別調査委員会の調査がまだ続いているので、背景の最終的な見解については、調査委員会の報告を待たなくてはならないが、私個人としては甘えた文化があったのではないかと思っている。また、納期に間に合わせるために検査を短縮したかった、などの声も一部では聞かれていたようだ。今回、不適切な調査が判明した製品について、客先からのクレームは1件もなかった。そのため、検査員や品質保証担当にも製品の品質に対する過信があり、品質保証に関するモラルが欠如していたと考えている」と語った。
丸山氏は、「今後は、私自身が先頭に立って、文化を変えていかなくてはならない。地に落ちた信頼を一つ一つ回復していくしかなく、そのためにあらゆる手段を行っていく」と述べ、辞任などを含む責任の取り方については、最終報告書を全て確認した上で決定するとした。
なお、特別調査委員会の最終報告は、11月下旬を予定しているという。丸山氏は再発防止策について、「組織の見直しや、人の手を通さないで検査数値が書き込まれるシステムを導入するといった方法を考えなくてはならない」と語った。
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