今回は、最先端のドライエッチング技術として、マルチ・パターニングとHARC(High Aspect Ratio Contact)について解説する。
日電バリアンが世界で初めて発明し、IBMがRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)と名付けて普及させたドライエッチング技術は、日米の総力を結集してチャージングダメージの壁を乗り越え、ひたすら微細化の道をまい進してきた。
ドライエッチング技術で異方性加工を行う前には、リソグラフィ技術により、レジストパターンを形成する。現在、最先端の露光装置として使われている波長193nmのArF液浸装置では、解像限界が38nmである。ところが、昨今は、マルチ・パターニングと呼ばれる技術により、その解像限界を超えて、10〜7nmのパターンが実現しており、5nm以降も加工可能といわれている(図1)。
また、DRAMのキャパシター用や3次元NANDのメモリホール用に、ドライエッチング技術で、非常に深い孔を加工している。孔の直径と深さの比をアスペクト比(Aspect Ratio、AR比)という。また、非常にAR比の大きな孔を高アスペクト比コンタクト(High Aspect Ratio Contact、HARC)と呼ぶ。
2017年11月に開催されたドライエッチング技術の国際学会Dry Process Symposium(DPS)で、サムスン電子は、HARCのAR比について、2013年以降のDRAMは45であり、3次元化したNANDは2017年時点で65が実現しており、今年2018年は70を超え、2020年には100を目指すと発表した(図2)。
本稿では、ドライエッチングの最先端技術として、マルチ・パターニングとHARCを取り上げる。
以上について詳述する。
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