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GUIベースの安全分析ツール、ルネサスが発売ISO 26262への適合確認が容易に

ルネサス エレクトロニクスは、ルネサス製品搭載システムが、自動車の機能安全規格「ISO 26262」に適合できるかどうかを容易に確認できるGUIベースの安全分析ツールを発売する。

» 2018年11月13日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

SPFMやLFM、PMHFなどの評価値を自動で算出

 ルネサス エレクトロニクスは2018年11月、ルネサス製品を搭載したシステムが、自動車の機能安全規格「ISO 26262」に適合できるかどうかを容易に確認できるGUIベースの安全分析ツールを発売すると発表した。SEooC(Safety Element Out of Context)と呼ばれる汎用的に開発された製品の調整や、安全分析結果のレポート作成に必要な作業負荷などを軽減できるという。

 ルネサスはこれまで、自動車向け機能安全サポートプログラムとして、ISO 26262に対応するためのハードウェアやソフトウェア、各種ツールなどを提供してきた。今回の安全分析ツール「GUI版CAR(Customizable Analysis Report)」も、このプログラムの1つとして用意した。

ルネサスが用意した安全分析ルールの活用イメージ 出典:ルネサス エレクトロニクス

 GUI版CARツールを用いると、3つの評価値を自動的に算出し、開発したシステム/モジュールがISO 26262の基準値を達成可能かどうか、一目で確認することができるという。3つの評価値とは、「シングルポイント故障対処の有効性評価値(SPFM:Single Point Fault Metric)」「レイテント故障対処の有効性評価値(LFM:Latent Fault Metric)」「偶発的なハードウェア故障による安全性目標侵害確率(PMHF:Probabilistic Metric for Random Hardware Failure)および、各安全目標侵害要因の発生確率」である。

 また、デバイス全体やデバイス内の要素などについて、故障分類ごとのFIT(稼働10億時間当たりの平均故障回数)を表示できる。これにより、故障リスクが高い部分の特定や分析を比較的容易に行えるという。

 GUI版CARツールは、別途提供されるデバイス製品ライブラリーを読み込んで利用する。ライブラリーに含まれる故障率ソース、故障特性、故障モード、故障の影響、故障カバレッジといった分析条件パラメーターは、実装システムでの利用方法に合わせ、ツール上で最適化することが可能である。

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