田中氏によれば、JOLEDはまずは中型ディスプレイで足場を固め、TVやサイネージなど大型ディスプレイを使う領域にも技術を展開していくという。「他のパネルメーカーとのアライアンスも視野に入れ、ノートPCやタブレットの分野にも参入を考えている」(同氏)
さらにJOLEDは2018年7月、OLED量産工場として「JOLED能見事務所」(石川県能見市)を開設。2020年の稼働開始を目指して量産準備を進めているさなかだ。同工場は、基板サイズG5.5(1300×1500mm)、ガラス基板ベースで月産約2万枚の生産能力を備える。
JOLEDの広報は、「車載分野はOLEDの有望な用途の一つ」と述べる。ブースでは、JOLEDに出資しているデンソーと共同開発している、OLEDを採用したコックピットを展示。多くの来場者を集めていた。
JOLEDの広報は「特に海外の自動車メーカーは車内の意匠デザインにも強いこだわりがあり、ディスプレイの形状を変化させたいという要望が強い。コックピットで使用するフレキシブルOLEDには、例えばいずれタッチパネルを搭載するといったことも可能だ」と述べる。
パナソニック時代に開発した、55型/4KのOLEDも多くの来場者の注目を集めていた。「JOLEDでは大型ディスプレイを製造するラインは保有していないが、パナソニック時代に確立したノウハウがあるので、技術をライセンスとして販売することを想定している」(JOLED広報)
eスポーツ向けには、21.6型OLEDの試作品を展示した。リフレッシュレートが144Hzと高いことが特長だ。eスポーツは特に米国、韓国、台湾で盛り上がりを見せていて、ディスプレイをはじめ専門の機材も次々に市場に登場している。応答速度が速く、残像が残らないOLEDは、eスポーツに適していると、OLEDの広報は述べる。JOLEDは、eスポーツのプロチームであるBurning Core(バーニングコア)とパートナーシップを締結し、eスポーツ向けのOLEDを開発中だ。
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