東京医科歯科大学は、「SEMICON Japan 2018」で、歯科医療用のマウスピースに、口腔温や咬合力を測定するセンサーやBLE(Bluetooth Low Energy)無線機能を組み込んだウェアラブルセンサーを紹介した。
東京医科歯科大学は、「SEMICON Japan 2018」(2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)のSPORTS×IoTコーナーで、歯科医療用のマウスピースに、口腔温や咬合力を測定するセンサーやBLE(Bluetooth Low Energy)無線機能を組み込んだウェアラブルセンサーを紹介した。グルコースセンサーをマウスピースに内蔵すれば、唾液成分から血糖値のモニタリングが可能だという。
東京医科歯科大学は、有機系材料とデバイス技術を組み合わせて、生体適合性に優れたセンシングデバイスを研究、開発している。生体適合性の機能性高分子とMEMS技術を融合させて開発した、マウスピース型やコンタクトレンズ型のバイオセンサーなどもその1つである。
マウスピース型センサーは、上あごや下あごに位置する部分に圧力センサーなどが組み込まれた構造で、全身の機能指数と深い関わりを持つといわれる咬合力(物を咬む力)など、口腔機能を測定することができる。これらの機能を活用すれば、咬んだ奥歯の位置やその力の違いを端末の入力信号に変えて、機器の制御などを行うことができるという。
マウスピースに内蔵するセンサーによって、異なる機能を実現できる。温度センサーを組み込むと体温のモニタリングや、口にした食品や飲料水の温度を感じることができる。測定したデータは、スマートフォンやPCなどの外部機器にBLE無線で送信することができる。
さらに、グルコースセンサーを組み込めば、口腔の唾液成分からグルコースの濃度を測定することができ、相関関係のある血糖値を容易に管理することが可能だという。これまでは、採血が必要な自己血糖測定器を用いて管理するのが一般的であった。今回のグルコースセンサーを用いると、非侵襲で血糖値を連続評価することができるため、患者の負担を大幅に軽減できるとみている。
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