NECは、「1ミリ秒」のコヒーレント時間を目標としている。例えば2000ビットのアニーリング型量子コンピュータでコヒーレント時間を1ミリ秒維持できれば、1050の試行を行えると中村氏は述べる。
2018年10月には、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクト*)の一環として、東京工業大学、早稲田大学、横浜国立大学とともにアニーリング型量子コンピュータの開発を進めていくことを発表した。さらに、産業技術総合研究所(産総研)と連携し、産総研 ナノエレクトロニクス研究部門内に「NEC-産総研 量子活用テクノロジー連携研究室」を、2019年3月に発足させる予定だ。
こうした取り組みによって、NECは、2023年を目標に、1ミリ秒のコヒーレント時間を持つアニーリング型量子コンピュータを本格的に実用化する方針だ。中村氏は、ビジネスの規模や具体的なビジネスモデルについて、現時点で明言できることはないとしながらも、「こだわりたいのはコヒーレント時間。ここを長くして、組み合わせ最適化問題で良い解を探せるマシンを開発したい」と強調した。
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