ここ最近、連日のように報じられている「外国人労働者の受け入れ拡大」。メディアで報じられている課題はともかく、この外国人就労拡大で際立っているのが、日本の「ブラック国家ぶり」です。このブラックぶりは、驚きを通り越して、むしろすがすがしいほどなのです。
「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」として政府が進めようとしている「働き方改革」。しかし、第一線で働く現役世代にとっては、違和感や矛盾、意見が山ほどあるテーマではないでしょうか。今回は、なかなか本音では語りにくいこのテーマを、いつものごとく、計算とシミュレーションを使い倒して検証します。⇒連載バックナンバーはこちらから
先日、自室で今回のコラムについて調査していたところ、部屋に入ってきた嫁さんが、私の顔を見るなり『ヒッ』と叫んで後ろずさり、小さな声でおびえるように言いました。
「……何、怒っているの?」
以前から申し上げておりますが、私は「人相の悪さ」においては、定評があります(特に目つきが悪い)。私の、この「人相の悪さ」は「気分の悪さ」と、強い連動があるようです(多分、相関係数1.0に限りなく近い)。
「人相が悪い人は、性格が悪い」は成立しないと思っていますが(反例、山ほど)、しかし「気分が悪くなると、人相が悪くなる」というのは事実のような気がしています。
その時の私は、このコラムを執筆するための事前調査で、政府発表資料を片っ端から読み倒していたところなのですが、―― これまでのコラム執筆では経験したことがないほど、心底からムカついていまして、そんなタイミングで、私の部屋に入ってきた嫁さんは、『本当に間が悪い』としか言いようがありません。
前回のコラム「ブラック企業の作り方」で、私は、ブラック企業について、かなり丁寧な、そして辛辣なコラムを書きました。
ブラック企業に関する、(1)その経営者と従業員の善良と無知と、(2)法律や制度の不完全さと不徹底さと、そして(3)私たち自身の無責任と無関心に対しして、罵倒の限りを尽くす内容となっております。
そして私は、ブラック企業が、「『新卒社員を、数年で使い捨てる、もしくは使いつぶす部品として取り扱う』ことを、経営戦略の根幹としている企業」として存続できることを、数式でも明らかにしました。
一方、今回は、働き方改革の「外国人活用」編を執筆するために、従来の日本国政府の取り組みと、最近可決された改正出入国管理法を調べていたのですが ―― これがとても複雑で分かりにくいものでした。
加えて「外国人労働者」に対する全体像がなかなか把握できず、イライラしていました。
例えば、"移民"、"難民"、"帰化"、"定住者"、"技能実習生"、"専門技術者"、"外国人配偶者"、"留学生"、"資格外就労者"、"不法入国者"、その他について、我が国における外国人に関するこれらの取り扱いを、きちんと説明している記事も書籍も政府資料もなく、本当に頭を抱えていました。
まあ、それでもなんとか、全体像がボンヤリ見えてきた時、私は、非常に不愉快な事実に気がついてしまったのです(今でも、「気が付かなければよかった」と思っています(本当))
我が国の法律や施策は、前回の「ブラック企業の経営戦略」と寸分違わず同じ ―― 『外国人労働者を、数年で使い捨てる、もしくは使いつぶす部品として取り扱う』で、完全にロックオンされている ―― つまり、
―― 我が国は、外国人の労働力を最高効率で搾取する「世界最大級のブラック国家」
として、設計され運用されている、ということに――。
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