現在、高速インターコネクトの重要性は高まる一方だ。CMOSプロセスの微細化が行き詰まりを見せる中、プロセッサの性能向上を達成するための手段として、外部アクセラレーターや新型メモリへの期待が高まっている。
NVIDIAの最新のディープラーニングシステムは、IBMの「Power 9」ホストプロセッサ向けとして、同社独自のNVLinkを採用している。またAMDは、プロセッサやGPUに接続する「Infinity Fabric」を開発している他、IBMは、独自のインターコネクト技術「OpenCAPI」を用意している。
CHIPS Allianceは設立を発表したばかりだが、既に同分野のプレイヤー企業がいる。Western Digital(WD)は2018年末に、Ethernet PHYをベースにしたオープンネットワークプロトコル「OmniXtend」を発表した。WDは、OmniXtendと組み込みコア「Swerv」でCHIPS Allianceに初めて貢献する形となる。
全ての陣営が、ライバルのエコシステムと競い合うことになると予想される。
米国の市場調査会社であるTirias Researchでアナリストを務めるKevin Krewell氏は、「AMDやその他の企業が賛同すれば、CXLに軍配が上がるだろう。もしくは、CCIXとCXLが合併する可能性も考えられる。いずれにせよ、CXLの技術的なメリットや、競争がどのように展開されるかを判断するのは時期尚早だ」と述べている。
CXLは、メンバーに大手クラウドプロバイダーを迎えてデビューを飾り、データセンターのIntelプロセッサに接続するアクセラレーターなど、独自チップを開発する計画だ。だが、これまでのところ同グループには半導体製造企業がいない。
Intelのテクノロジーイニシアチブ ディレクターでCXLを率いるJim Pappas氏は、現在ほぼ全てのコンピュータに使用されているPCIとUSBインタフェースの原型の立ち上げを支援した経歴を持つ。同氏は、「PCIはわずか5社のプロモーターとともに立ち上げた。今回のプロモーター9社は、これまで私が取りまとめた中で最も歴史と影響力のある企業だ」と述べている。同氏によると、Intelは初期のプロモータークラスのメンバーを慎重に厳選したという。
同氏は、「CPUとGPU、FPGA、通信チップの競合企業からの支持を期待している。われわれは競合企業と協力することに慣れている」と付け加えた。
Pappas氏は、現在の「DDR-T」プロトコルに代わるオープンな選択肢として、Intelが「Optane DIMM」にCXLを使用するかどうかについては言及していない。しかし、同氏は、「CXLは永続性メモリ(persistent memory)向けに最適化されており、DDRを補完するがDDRに代わるものではない」と述べている。
「GenZ」グループを率いるDellのスポークスマンは、「コンピュータメーカーは自社のシステム内でCXLを使用し、外部アクセラレーターおよびストレージシステムとの接続にGenZを使用すると思われる」と述べている。
CXLをロイヤリティーフリーで使用するには、年間1万米ドルを支払う。グループへの加盟料は無料である。
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