Intelの創業9年目となる1976年は、業績が回復するとともに、従業員数が大幅に増加した年でもあった。
Intelの公式文書である「年次報告書(アニュアルレポート)」をベースに、Intelの創業期の活動を創業年(1968年)から1年ずつ記述する連載の第16回である。第13回から前回(第15回)までは、創業8年目である1975年の状況を紹介してきた。今回は、創業9年目である1976年の業績をご報告していく。
本シリーズの第13回でご説明したように、前年である1975年にIntelは初めて、事業成長の停滞を経験した。総収入(売上高)は前年比で横ばい、営業利益と純利益は前年比で2割近いマイナスとなった。その主な要因は、世界的な景気後退と、半導体メモリを中心とする価格競争である。
翌年の1976年は景気回復を背景に、Intelの業績は好調さを取り戻す。総収入は前年比65%増で2億ドルを突破した。営業利益と純利益はともに、前年に比べて55%増と大きく伸びた。営業利益は5000万米ドル強、純利益は2500万米ドル強である。
総経費は前年比68%増の1億7452万米ドル。内訳を見ると販売費が同73%増、マーケティング費および一般管理費が同71%増と伸びが大きい。従業員の積極的な採用によって人件費が増えたことが経費増の大きな要因だと、年次報告書は説明している。
従業員の積極的な採用は、1975年に続くものだ。Intelの従業員数は、1974年末に3150人だった。これが1975年末には4600人に増えた。そして1976年末には、7347人と大幅に増加している。2年間で従業員数は2.3倍に増えたことになる。
従業員数の大幅な増加に対応すべく、Intelは従業員に対する教育と研修のプログラムを強化した。新しく入社した社員に対する研修プログラムや管理職向けの研修プログラムなど、14のプログラムを1976年は実施したとする。
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