Intelの創業9年目(1976年):景気回復を追い風に収入と利益は過去最高を更新:福田昭のデバイス通信(183) Intelの「始まり」を振り返る(16)(2/2 ページ)
過去5年の総収入と従業員数の推移を見ておこう。1971年に総収入は943万1921米ドル、従業員数は460人だった。これが1976年には総収入が2億2597万9000米ドル、従業員数が7347人へと増加した。5年間で総収入は24倍、従業員数は16倍に増えたことになる。Intelという会社の規模が、恐ろしいほどの勢いで成長していることがうかがえる。
総収入と従業員数、従業員当たりの収入の推移(1971年〜1976年)。Intelの年次報告書(アニュアルレポート)を基に作成(クリックで拡大)
Intelは1974年の年次報告書から、四半期ごとの業績を掲載するようになった。1976年の第1四半期から第4四半期までの収入と純利益を振り返ると、全ての四半期で収入と純利益が前の四半期を超えている。全ての四半期で、四半期としての収入と純利益が過去最高を更新し続けた。文字通り、「右肩上がり」の成長を達成したことになる。
1974年〜1976年の四半期業績の推移。1974年〜1976年の年次報告書(アニュアルレポート)を基に作成(クリックで拡大)
(次回に続く)
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
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