2019年6月9〜14日に京都市で開催される半導体デバイス/回路技術に関する国際会議「VLSIシンポジウム」の開催概要に関する記者説明会が2019年4月17日、東京都内で開催された。
2019年6月9〜14日に京都市で開催される半導体デバイス/回路技術に関する国際会議「VLSIシンポジウム」の開催概要に関する記者説明会が2019年4月17日、東京都内で開催された。
VLSIシンポジウムは同じ会期で、半導体デバイス技術を扱う「VLSI技術シンポジウム」(Symposium on VLSI Technology)と、回路技術を扱う「VLSI回路シンポジウム」(Symposium on VLSI Circuits)の2つの国際会議を実施。2つの国際会議の総称としてVLSIシンポジウムと呼ばれる。例年6月に開催され、京都と米国・ハワイの2カ所で交互に開催され、ことし2019年は京都で実施される。前回、2018年のハワイ開催では、19カ国約860人の技術者らが参加。これまで、ハワイ開催に比べて京都開催の方が、参加者が多い傾向にあり、2019年開催は、前回開催の規模を上回る見通しだ。
論文投稿数については、毎回、ハワイ開催時の方が多い傾向にあるが、今回のVLSI技術シンポジウムでの投稿数は、前回の186件を上回る187件になった。特に、アジア地域の大学からの投稿数が大きく増えたことがその要因にある。また、VLSI技術シンポジウムで採択論文(計74件)を見ても、過半数の38件が大学から投稿された論文になった。VLSI技術シンポジウムのシンポジウム委員長を務める昌原明植氏は「投稿数、採択論文数ともに、大学/教育機関の論文数が、企業など産業界の論文数を上回ったのは、今回が初めて。この現象は、アジアの大学から新たな技術の芽が生まれているということだと肯定的に捉えている」と述べた。
VLSI技術シンポジウムの採択論文の地域別内訳を見ると、米国が24件(投稿数49件)で最も多く、台湾の16件(同37件)、日本の9件(同16件)と続いた。採択論文の種別では、機械学習など新たなコンピューティングに関連した論文が増加したことが今回の特長として挙げられる。
一方のVLSI回路シンポジウムについては、投稿数は299件で、前回比、前々回比ともに減少。同じ回路技術を扱う国際会議である「IEEE Custom Integrated Circuits Conference」(通称、CICC)の開催時期が2年前から、それまでの秋ではなく、VLSIシンポジウム開催前の4月に変わったことが、投稿数減の主な要因。「コミュニティ全体としては健在で、論文数は一定程度ある」(VLSI回路シンポジウム プログラム委員長 竹内健氏)とした。
VLSI回路シンポジウムの採択論文の地域別内訳は、米国42件、韓国24件、台湾11件、中国10件の順で、日本は6件だった。
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