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u-blox、GNSSモジュールの測位性能を10倍向上都市部も高い精度でレーンを測位

u-blox(ユーブロックス)は、従来の標準精度に比べて測位性能を10倍向上できるマルチバンドGNSS(全地球測位システム)モジュール「ZED-F9K」を開発した。

» 2019年05月08日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

GNSS技術と補正サービス、慣性センシングを融合

マルチバンドGNSSモジュール「ZED-F9K」の外観

 u-blox(ユーブロックス)は2019年5月、従来の標準精度に比べて測位性能を10倍向上できるマルチバンドGNSS(全地球測位システム)モジュール「ZED-F9K」を開発したと発表した。自動運転に必要となるV2X通信システムなどの用途に向ける。

 ZED-F9Kは、u-bloxのGNSSプラットフォーム「F9」をベースに開発した。最新のGNSS補正サービスを活用することで、電離層誤差などを補正し測位精度のさらなる向上を可能とした。

 また、マルチバンド、マルチ衛星システム対応のRTK(リアルタイムキネマティック)レシーバーモジュールは、軌道上にある全てのGNSS衛星システムから信号を受信することができる。このため、一部の信号が遮られるような条件下であっても、測位精度を維持することができる。信号が中断された場合でも集束時間は短縮される。

 モジュールには、慣性センサーが実装されている。これによって、車両が移動中であってもその変化を監視する。この結果、駐車場やトンネル、高層ビルの谷間、森林地帯など、衛星信号を受信しにくい場所を走行中でも、高い精度で車線測位情報を出力できるという。衛星信号の受信が可能になると、慣性センサーのデータとGNSS信号を組み合わせて集束時間を短縮。10cm級の測位精度を実現することが可能となった。

 ZED-F9Kは、2019年7月までにサンプル品の提供を始める予定だ。新製品は、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転などの機能を実現するシステム向けに提案していく。

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