太陽誘電は、5月13日、2019年3月期決算を発表した。2019年度3月期(2018年度)売上高は、前期比12.4%増の2743億円と過去最高を更新。営業利益も同74.3%増の352億円で、増収増益となった。
太陽誘電は、5月13日、2019年3月期決算を発表した。2019年度3月期(2018年度)売上高は、前期比12.4%増の2743億円と過去最高を更新。営業利益も同74.3%増の352億円で、増収増益となった。同社経営企画本部長の増山津二氏は、「電装化が進む自動車向けを筆頭に、全ての用途でコンデンサーの売り上げが増加した。電子部品の需要拡大は当面続く見通しで、特に自動車、基地局通信装置やデータセンターなどの情報インフラ向けは中期的に安定した需要増が見込める」と説明した。
特別損失として、通信デバイス事業の固定資産などにかかる減損損失46億円、韓国子会社の構造改革に伴う事業構造改善費用22億円を計上している。当期純利益は同44.8%増の236億円で過去最高を更新した。
売り上げを製品別に見ると、フェライトおよび、応用製品は前期比0.9%減の406億円、複合デバイスは、スマートフォンの需要減速を受けた通信デバイス(FBAR/SAW)、各種モジュールの減少により同15.7%減の479億円と、ともに減少した。一方で、「全ての用途で売り上げが増加した」というコンデンサーが、前期比19.4%の増の1706億円と大きく伸びた。特に、自動車、基地局通信装置やデータセンターなどの情報インフラ向けが好調で売り上げをけん引する結果となったという。
電子部品の用途別の売り上げ構成では、自動車向けが前期比6ポイント増の15%、情報インフラ、産業機器が同1ポイント増の24%となった。自動車向けは、コンデンサーを中心として伸びたことに加え、自動車向けに強いエルナーの子会社化が売り上げ増加の要因だという。増山氏は、「高い成長性、安定性が見込める自動車や情報インフラ向けに注力することで、スマートフォンの市場動向による影響を軽減し、需要変動の影響を受けにくい事業構造へシフトしていく」との方針を説明した。
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