amsの日本法人amsジャパンは、5月21日、東京都内で事業戦略に関する説明会を実施した。来日したamsの最高執行責任者(COO)のThomas Stockmeier氏は、車載領域の事業に注力する方針であることを強調し、「今後数年で、モバイル関連領域の事業に次ぐ、ナンバー2のビジネスになる」とした。また、amsが、ソリッドステートLiDAR技術促進のため、独Ibeo Automotive Systems、独ZF Friedrichshafenの2社と提携したことも発表。2021年までに同技術の実用化を目指すことを明かした。
amsの日本法人amsジャパンは、5月21日、東京都内で事業戦略に関する説明会を実施した。来日したamsの最高執行責任者(COO)のThomas Stockmeier氏は、車載領域の事業に注力する方針であることを強調し、「今後数年で、モバイル関連領域の事業に次ぐ、ナンバー2のビジネスになる」とした。また、amsが、ソリッドステートLiDAR技術促進のため、独Ibeo Automotive Systems、独ZF Friedrichshafenの2社と提携したことも発表。2021年までに同技術の実用化を目指すことを明かした。
amsは、「光学センサー」「イメージングセンサー」「オーディオセンサー」など、主に3分野のセンサー事業に注力。通信や民生、コンピューティング、車載、産業、医療の各領域で、用途に特化した高精度なセンサー製品やソリューションを提供している。なかでも車載領域は、モバイル関連領域と並ぶ「第2の柱」に据えており、M&Aをはじめとした投資によって体制を強化してきた。
現在は通信、民生、コンピューティングの3領域での売り上げが全体の約75%を占めているというが、Stockmeier氏は、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転などの実現に向けて、車載センサーの数が年々増加を続けていることを挙げながら、「今後数年で、モバイル関連領域の事業に次ぐ、ナンバー2のビジネスになる」と語った。
車載領域については、車載向けのVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)技術などを利用したLiDAR技術による自動運転支援や、超小型プロジェクターを可能とするLEDマイクロレンズアレイによる投影照明、3D光学センシングによるドライバー識別、耐浮揚磁場性能に優れたポジションセンシングなどを、主なソリューションとして紹介。Stockmeier氏は、「より安全、よりスマート、より環境に優しい運転エクスペリエンスを提供する」と説明した。
そうした方針の中で、amsは、オートモーティブLiDARセンサー技術の専門企業である独Ibeo Automotive Systems、自動車業界向け電子モビリティと自律走行ソリューションを展開する独ZF Friedrichshafenの2社と提携し、amsのVCSEL技術などを活用したソリッドステートLiDAR技術の研究開発を進めることも発表した。3社は、同技術の2021年までの実用化を目指すという。
ソリッドステートLiDAR技術は、光ビームの方向を切り替える際に機械部品を必要とせず、信頼性を改善しつつ複雑性、寸法、重量、コストを削減できるもの。amsは、「高い信頼性とスモールフォームファクタのおかげで、ソリッドステートLiDARは自動車分野における大規模なLiDAR実装の道を開く」としている。
また、Stockmeier氏は、「車載領域のビジネスに注力する中で、日本市場は非常に重要だ」と強調した。その理由として、市場の規模などのほか、「ユニークで重要な半導体を作る材料や部品を供給するサプライヤーが多い」ことも挙げた。同社では、日本において車載分野はすでに「2番目に大きな事業」であり、また、新規案件に限った売り上げでみると、全体の約8割を占める規模となってるという。amsの日本法人amsジャパンのカントリーマネジャー、岩本桂一氏は、「5年以内に、日本の売り上げの70〜80%が車載領域になるだろう」と、展望を話していた。
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