WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)は2019年6月4日、2019年春季半導体市場予測結果を発表した。それによると、2019年の世界半導体市場規模は、前年比12.1%減の4120億8600万米ドルになるという。
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)は2019年6月4日、2019年春季半導体市場予測結果を発表した。それによると、2019年の世界半導体市場規模は、前年比12.1%減の4120億8600万米ドルになるという。
世界の半導体メーカーが加盟する統計機関であるWSTSでは、毎年5月と11月に予測会議を開催し、世界半導体市場規模に関する予測を作成、発表している。今回(2019年春季半導体市場規模予測会議)は、2019年5月21〜23日の日程で、広島で実施された。
前回、2018年11月の2018年秋季予測では、2019年世界半導体市場規模は、4901億4200万米ドルと2018年比2.6%増のプラス成長を予測しており、今回の予測は大幅に見通しを下方修正したと言える。今回の予測についてWSTSでは、「予測値作成時点では米中貿易摩擦やBrexit(英国のEU離脱)など、不透明要素を完全には払拭(ふっしょく)できなかったことに加え、2018年から顕在化していたスマートフォン関連需要の頭打ちなどもあり、半導体市場合計で前年比12.1%減と前年割れを予想した」としている。
なお、2018年の半導体市場規模は、前回見通しよりも91億5800万米ドル少ない4687億7800万米ドル(前年比13.7%増)だったという。
2019年の製品別市場規模は、ディスクリートが前年比1.4%増の244億5000万米ドル、オプトエレクトロニクスが同1.5%減の374億7400万米ドル、センサー/アクチュエーターが同0.5%減の132億9500万米ドル、ICが同14.3%減の3368億6700万米ドルとする。ICの内訳をみると、アナログが同5.0%減の558億4600万米ドル、マイクロが同1.1%減の665億1900万米ドル、ロジックが同4.0%減の1049億1200万米ドル、メモリが同30.6%減の1095億9000万米ドルとする。
2019年の地域別市場規模では、米州が前年比23.6%減の787億4100万米ドルと大きく減少する見込み。他の地域の減少幅は10%以下に収まっている。なお、日本市場については米ドルベースで前年比9.7%減、円ベースで同10.0%減の予測になっている。
さらにWSTSでは2020年の半導体市場規模予測も発表。「2020年は、さまざまな懸案事項の解決に向けた何らかの進展を期待すると共に、データセンタ用設備投資の回復や5G(第5世代移動通信)導入に伴うさまざまなサービスの拡大、自動車の電動化、機能向上の継続などを考慮し、半導体合計で2019年比5.4%増とプラス成長に回帰するものと予測した」とし、2020年の半導体市場規模を4343億8900万米ドルを見込む。製品別、IC別では、全ての分野で2019年比プラス成長を予測。メモリについては、同6.6%増を見込んでいる。
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