HIOKI(日置電機)は、リチウムイオン電池に用いられる電極シートの合材層抵抗と界面抵抗を計測できる電極抵抗測定システム「RM2610」を発表した。
HIOKI(日置電機)は2019年6月、リチウムイオン電池に用いられる電極シートの合材層抵抗と界面抵抗を計測できる電極抵抗測定システム「RM2610」を発表した。
リチウムイオン電池は、内部抵抗を小さくすることで高出力や長寿命を実現することが可能となる。このため、主要材料である電極シートの抵抗特性をより詳細に計測し、改善/改良していくことが電池性能の向上につながるという。
ところが現状では、リチウムイオン電池が完成した後でないと、電極シートの評価ができなかった。また、これまで行ってきた貫通抵抗の測定や4探針による体積低効率測定では、電極シート全体の抵抗特性しか計測できなかった。
RM2610は、電極シート表面に複数本のテストフィクスチャー(検査針)を当て、電位を計測する。この測定値と独自の解析手法を用いて、これまで知ることができなかった、電極シートの「合材層抵抗」と「合材層と集電体の間の界面抵抗」を数値化(見える化)することができるという。
具体的には、微細な検査針に定電流を流し、電極シート表面に発生する電位分布を多点計測する。また、仮想電極シートを想定し、表面に発生する電位を計算で求めるためのモデリングを行う。その上で、合材抵抗と界面抵抗を変数として、「実測電位」と「計算電位」が一致するまで、計算電位の計算を繰り返し行う。これが一致した時の変数を結果として出力するシステムである。
RM2610は、プレスユニット「RM9003」、テストフィクスチャー「RM9004」、接続ケーブル「RM9005」、電極抵抗計「RM2611」および、電極抵抗計算ソフトウェア「RM2612」などで構成される。
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