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パワーエレクトロニクス最前線 特集

SiCパワーデバイスがモビリティの電動化を加速福田昭のデバイス通信(203) 2019年度版実装技術ロードマップ(14)(1/2 ページ)

今回は、電動化のキーデバイスである「パワーデバイス」に関してロードマップが記述した部分の概要をご紹介していく。

» 2019年09月30日 09時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

パワーデバイスが電動化の効率を左右

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第14回である。前々回から、ロードマップ本体の第2章第4節に当たる「モビリティー」の「2.4.4 電動化」の概要をご紹介している。

 前々回は自動車の電動化、前回は鉄道車両と航空機の電動化を説明した。今回は、電動化のキーデバイスである「パワーデバイス」に関してロードマップが記述した部分の概要をご紹介していく。

第2章第4節「モビリティー」の目次(完成報告会の講演スライド)。「2.4.1 はじめに」から「2.4.6 エンジンルーム内に搭載される電子機器ユニット」までの6つの項目によって構成される。前々回から「2.4.4 電動化」の概要を解説してきた。出典:JEITA

 電子回路は、電源電圧が5Vや3.3Vなどの低い電圧による回路と、電源電圧が100Vや120V、さらには600Vや1200Vなどの高い電圧による回路に大別できる。前者は通常、小さな電流の信号(小信号)を扱うので「小信号回路」とも呼ばれる。後者は通常、大きな電流の電力を扱うので、「大電力回路」とも呼ばれる。

 マイクロプロセッサやメモリ、FPGAなどの半導体デバイスは、小信号回路の集まりである。これに対して大電力回路と、大電力回路を制御する回路で構成された回路システムを、「パワーエレクトロニクス」と呼び、パワーエレクトロニクスで電力を扱う半導体デバイスを「パワーデバイス(電力用半導体デバイス)」と呼んでいる。パワーデバイスには、整流用ダイオード、パワートランジスタ、サイリスタ、トライアックなどがある。

パワーエレクトロニクスとパワーデバイス。出典:JEITA
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