ソニーは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)で、メディカルイメージング領域とライフサイエンス領域に関する技術や製品を初めて展示した。同社がCEATECに出展するのは2013年以来6年ぶりだ。
ソニーは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)で、メディカルイメージング領域とライフサイエンス領域に関する技術や製品を初めて展示した。同社がCEATECに出展するのは2013年以来6年ぶり。同社執行役専務R&Dメディカル事業担当R&Dセンター長、勝本徹氏は、「ソニーがコンシューマーエレクトロニクスなどで培ってきた技術全てがいろいろな医療やライフサイエンスで利用できる。今回はその典型的なものを集めた。ソニーはテクノロジーで医療に貢献するということを伝えたい」と説明した。
今回、ソニーは「Sony's Technologies×Medical/Life Science」をテーマとした展示を実施。従来のようなテレビなどの家電製品の展示ではなく、同社が既存事業で培ってきた独自技術の応用や医療分野のノウハウを持ったパートナーとの協業などによって実現した技術、製品を集めた構成になっている。
メディカルイメージング領域は、同社独自の裏面照射型CMOSイメージセンサーや画像処理技術により、4Kの高精細な映像や高感度で暗所でもノイズが目立ちにくい映像を実現した「イメージセンシング技術」の他、3D映像撮影に適した並列光学機構やその機構を小型化する技術などの「3D技術」、4Kで求められる規格ITU-R BT.2020への対応などによって広色域の色再現をモニターで実現した「色域拡大技術」、放送業務用分野で培った独自の高効率な映像伝送技術LLVCを応用した「伝送技術」について、デモも交えて紹介している。
まず、イメージセンシング技術や3D技術の例として紹介したのは、4K3D手術用顕微鏡システム「ORBEYE」。これはソニーと医療分野で多くの実績があるオリンパスの2社による合同出資会社「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」が手掛ける製品だ。感度の高い「4K Exmor R CMOSセンサー」を利用することで、赤外光や青色光などの微弱な蛍光を捉える「特殊光観察」でも高感度を実現、3D映像で立体感をより自然に再現することで手術の精度を高めることができるという。会場では、実際に3Dグラスを着用し、高精細な3D映像を見ながらピンセットで小さな異物を拾う体験ができるデモが用意されていた。
また、同じくソニー・オリンパスメディカルソリューションズが開発した4K外科用内視鏡システムも展示している。こちらも4K Exmor R CMOSセンサーを搭載したもので、デモでは、直径10mm程度の腹部用の内視鏡で、1万円札の模様の中に描かれた極小の「二」という字をはっきり読むことができた。
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