ANAホールディングスは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)に初出展し、同社が開発する普及型コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」のデモンストレーションなどを行った。
ANAホールディングスは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)に初出展し、同社が開発する普及型コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」のデモンストレーションなどを行った。
newmeは10.1型ディスプレイやマイク、スピーカーを搭載した遠隔操作ロボットだ。タブレット端末で操作することで、遠隔地にいる人とのコミュニケーションが可能になる。フルHD(2K)の画質を実現しているほか、重量も14.5〜15.5kg(サイズによる。S:100cm、M:130cm、L:150cmの3種類がある)と小型で折り畳みも可能。説明担当者によると、これまでのアバターは簡易なものは画質が低いなどスペックも下がり、逆に高機能なものは重くなるなどの課題があったという。newmeではその課題を解決し、「高画質、首振り機能の搭載、軽量かつ折り畳み式など、社会普及に必要な機能を備えた」としている。
タブレット操作も縦横の移動ボタンのほかは、ミュートや速度調整などのみで簡単に操作が可能だ。会場では、ANAのスタッフが実際にnewmeを操作し、来場者の案内などを行っていた。
説明担当者は、「例えば自宅のリビングにいながら、友人と一緒にミュージアムの観賞をしたりショッピングをしたり、利用者は身体的な制約なくリアルタイムで一緒に外出を楽しむことができる」と話している。同社はnewmeを、2020年夏までに1000体普及させることを目標としている。まずは商業施設や観光地での配備を進めながら、家庭での購入などへの展開するという。本体やサービスの価格は未定。また、アプリなどからアクセスすることで街中に配置されたnewmeに接続できるプラットフォーム「avatar-in(アバターイン)」もローンチし、2020年4月のサービス化を目指すとしている。
同社は2018〜2022年度のグループ中期経営戦略において、政府が推進する「Society 5.0(超スマート社会)」の実現に向けた取り組みの1つとして、ロボティクス、AI(人工知能)、VR(仮想現実)、通信、触覚技術などの最先端技術を用いて、遠隔地に置いたロボットによるリアルタイムコミュニケーションを可能とする「AVATAR(アバター)」事業を進めている。newmeの開発もその一貫だ。
同社はこのほか、大分の釣り堀に実際に設置された釣りアバターロボットに接続して釣りの体験ができるデモや、キッチンで遠隔調理ができるハンドアバター、上半身と両腕を備えた2足歩行型のロボットの展示などを行っていた。
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