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CEATEC 2019 特集

視線検知とAIでタクシー業界の働き方改革を支援CEATECに初出展のDeNA

「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)に初出展しているDeNAは、タクシー向けに、運転手の視線をモニタリングして脇見運転を検知したり、運転するルートに機械学習を応用したりといった技術を展示した。「タクシー業界の“働き改革”に貢献したい」(DeNA)という。

» 2019年10月16日 10時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)に初出展しているDeNAは、タクシー向けに、運転手の視線をモニタリングして脇見運転を検知したり、運転するルートに機械学習を応用したりといった技術を展示した。「タクシー業界の“働き改革”に貢献したい」(DeNA)という。

ブースでは、視線モニタリングや機械学習によるルート検出機能を搭載した自動車を展示した(クリックで拡大)

 DeNAの担当者によれば、タクシー業界の最も大きな課題の一つは人材の確保だという。「ドライバーの高齢化(平均年齢は60.8歳だという)が進む一方で、乗務員の数は年率5%で減っている。ドライバーの安全を確保するとともに、未経験者でも参入しやすい状況を作ることが必要なのではないか」(同社)

 DeNAが提供する技術は2つ。1つ目は、ドライバーの視線を検知する技術で、事故防止を目的とする。ドライバーの目(虹彩)をカメラで検知し、脇見運転をしていないかモニタリングする。もう1つは、機械学習の利用だ。DeNAはタクシー配車アプリ「MOV」を手掛けているが、これによって「いつ、どこで、タクシーが利用されているか」について、膨大な量のデータを持っている。DeNAは、これを利用し、最適なルート(タクシー需要が増えるであろうルート)を推論によって提案する、タクシードライバー向けのサービスを2019年11月から提供する予定だ。「これによって安定した収入を得られるようになれば、未経験者でも入りやすい業界になるのではないか」(DeNA)

 DeNAによれば、もともとタクシー向けを想定して開発した技術だが、実は、製薬会社と不動産会社など営業車を持つ企業からの問い合わせが多いという。「こうした業界の営業担当は、約束に遅れまいと急ぎ、事故を起こすケースが少なくない。だが、数千台の営業車を抱える企業では、クルマを運転する営業担当1人1人に、安全運転を指導している時間もコストもなく、悩んでいる」と、DeNAの説明担当者は語る。

 「そこで当社の技術を使い、脇見運転など危険な瞬間のみを動画で捉え、それを基に運転スコアを作って指導に生かすことで、交通事故防止のコストを抑えたというユースケースもある」(DeNA)

左=ドライバーの虹彩を検知し、視線をモニタリングしている/右=視線モニタリング用のカメラ(クリックで拡大)

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