自動運転タクシー(ロボットタクシー)が普及する時代は、われわれが思っているよりも早く到来するかもしれない。
以前から予測されていた2〜3年後ではなく、2018年には、商用自動運転タクシーが道路を走行することが明らかになった。
たとえ運転席にいる人が見えなかったとしても、それはドライバーが小柄だからというわけではなくなるかもしれない(文字通り、“いない”のかもしれないのだ)。
フランスの市場調査会社であるYole Développementが集めたサプライチェーンの情報に加え、Waymoが2018年に米国アリゾナ州で自動運転タクシーを使ったサービスの開始を明らかにしたことを踏まえると、商用自動運転車の未来は既に始まっていると結論付けることができる。
米国の自動運転車市場の観測筋にとって、“1つ目のドミノ”は、2018年1月にアリゾナ州政府が、輸送ネットワーク企業として事業を行っていく許可をWaymoに与えたことだ。2018年2月初め、Waymoは2018年内にもロボットタクシーを使った有料サービスを始める計画であることを明らかにした。
だが、2018年よりもずっと前に、Yole Développementは、運送業者や自動車メーカーが極めてハイエンドなセンサーを大量に注文しているという情報を得ていた。このことは、商用自動運転車によるサービスの開始が間近に迫っていることを強く示唆していた。
EE TimesはYole Développementを取材し、自動運転車市場の分析や、自動運転車市場のけん引役などについて尋ねた。さらに、現在の自動運転車の推定価格や、2018年から2019年にかけて商業市場に出荷される自動運転車の予測台数、自動運転車の経済的側面の分析なども尋ねた。
Yole Développementは、MEMSやセンサー、それらの関連市場について深い知見を持っていることで知られている。
従来の自動車関連のリサーチ企業とは異なり、Yole Développementは、自動運転車の年間出荷台数といったことではなく、自動運転車市場を部品レベルから評価することに焦点を当てている。
同社はここしばらく、自動運転車市場に注目してきた。同社は過去12カ月間で、3Dセンシング、自動車センサー、自動車レーダー、ハイエンドの慣性計測装置(IMU)といった異なるテーマごとにレポートを出している。同社のイメージングおよびセンサー部門でアクティビティーリーダーを務めるPierre Cambou氏は、EE Timesに対し「われわれが自動運転車市場で、ハイエンドセンサーの大量発注に気付いたのは、ちょうど2017年の夏だった」と述べた。
Cambou氏は「当社は自動運転車市場を注視していたことから、大規模な投資や商業グレードのハイエンドセンサーの大量発注にすぐに気が付いた」と述べた。一方で、Cambou氏は、多くの業界観測筋から、「2020年あるいは2021年初頭まで、自動運転車の実用化はないだろう」との声も聞いていた。実用化は2025年というのが、大多数の意見だった。
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