今回は、第4章「電子部品」からインダクタについて説明する。インダクタの構造の他、電源用インダクタの用途と特性を紹介する。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第32回である。
本シリーズの前回から、第4章「電子部品」の概要を説明している。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。前回は2019年度版における「4.1 LCR部品」の更新内容を、2017年度版と比較しながら説明した。今回は、「4.1 LCR部品」の第1項「4.1.1 インダクタ」の概要を解説する。
インダクタは電気・電子回路では「L」の記号で記述される。その呼び名は、用途によって違う。信号系回路では「コイル」、電源系回路では「インダクタ」あるいは「チョークコイル」と呼称することが多い。電源系回路でも高電圧・高電流回路では「リアクトル」と呼ぶことがある。
インダクタを構造で大別すると、3種類のタイプに分かれる。磁性体に絶縁被覆銅線を巻いた「巻線タイプ」と、巻線状の絶縁被覆銅線を磁性体(粉末)で成形した「メタルコンポジットタイプ」、磁性体と導電体を印刷して積層して焼成する「積層タイプ」がある。
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