村田製作所、0603MサイズのPTCサーミスター量産:モバイル機器の異常や故障を防止
村田製作所は、外形寸法が0.6×0.3×0.3mm(0603Mサイズ)と、極めて小さいPTCサーミスター「PRG03BC181QB6RL」の量産を始めた。
村田製作所は2020年1月、外形寸法が0.6×0.3×0.3mm(0603Mサイズ)と、極めて小さいPTCサーミスター「PRG03BC181QB6RL」の量産を始めたと発表した。電子回路の過電流を検知し、モバイル機器の異常や故障を防ぐことができる。
PTCサーミスターは、リセッタブルヒューズとも呼ばれ、ある一定の温度を超えると抵抗値が急激に上昇する。過電流がなくなれば自動的に元の状態に復帰する。こうした特性を生かし、電子回路を過電流から保護するために用いられている。
PRG03BC181QB6RLの外観
新製品は、積層セラミックコンデンサーや多層デバイスなどで培ったプロセス技術を活用し、PTCサーミスターとして「世界最小」(同社)という0603Mサイズを実現した。従来の1005Mサイズに比べると、体積比で約80%、実装面積比で約70%の小型化を図り、高機能スマートフォンや小型ウェアラブル機器への実装を容易にした。
独自のセラミック材料を用いたことで抵抗変動も少なく、高温の動作環境下でも長期安定性に優れているという。使用温度範囲は−20〜60℃である。
PRG03BC181QB6RLの主な仕様は、最大電圧が13V、保持電流は25℃時で14mA、60℃時で8mA。トリップ電流は25℃時で36mA、−20℃時で46mA。最大電流は93mA、抵抗値(25℃)は180Ωなどとなっている。
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