村田製作所は「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で、独自の技術で残響振動の影響を抑え、10cmの近距離検知を実現した送受分離型超音波センサーモジュールを展示した。2023年ごろの量産化を目指している。
村田製作所は「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で、独自の技術で残響振動の影響を抑え、10cmの近距離検知を実現した送受分離型超音波センサーモジュールを展示した。2023年ごろの量産化を目指している。
従来品の超音波センサーは、音波を発生させた後に残響振動の影響によって一定時間反射波を受信することができないことから約30cmまでの測定が不可能だったという。そこで同社は、自身の残響振動を反転しフィードバック、強制的に残響振動を抑える独自の「アクティブダンピング技術」を活用。これによって10cm先のセンシングも可能になったとしている。
さらに、従来であれば12〜24V電源が基本になっている自動車に搭載する場合、昇圧トランスが必要になるが、同社のコア技術である「積層技術」によって圧電素子を多層化、低電圧入力での高温圧出力および高受信感度を可能とした。トランスが不要となったことで、従来品と比較して最大30%のモジュールの低背化も実現。「作業的なコストの削減、バンパー裏の省スペース化に貢献する」としている。
ブースではこの超音波センサーモジュールを用いたデモを実施。定常の状態では3〜5mの長距離を計測しており、デモ機のボタンを押すとセンサーから10cmの距離にフラップが移動、その距離を計測する様子が紹介されていた。同社の説明担当者は、「10cmレベルのセンシングが可能になったことで、将来的には狭いスペースへの自動駐車などにも活用できるだろう」と話していた。
このほかにも同社ブースでは、加速度センサーや、ジャイロセンサーと3軸加速度センサーを一体化したジャイロコンボセンサーに関するデモなどが展示されていた。
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