富士キメラ総研は、OLEDやLCDなどディスプレイに向けた関連部材の世界市場を調査し、その結果を発表した。
富士キメラ総研は2020年2月、OLEDやLCDなどディスプレイに向けた関連部材の世界市場を調査し、その結果を発表した。同社は関連部材の中で、「フォルダブル用部材」と「QD部材」に注目している。
市場調査は、2019年9〜11月に実施した。「LCDとOLED共通関連部材」5品目、「LCD関連部材」15品目、「OLED関連部材」14品目および、「タッチパネル関連部材」6品目が調査対象である。
調査結果によると、「OLED関連部材」は、スマートフォンやTV向けを中心にAMOLED(アクティブマトリックス式有機LE)ディスプレイ市場の拡大などから、蒸着型発光材料(EML)や円偏光板などの需要増を見込む。さらに将来は、フォルダブル用部材やインクジェット対応部材、QD-OLED用部材などの需要増が期待できるとみている。こうしたことから、OLED関連部材の市場規模は2019年見込みの2020億円に対し、2024年は4642億円と予測した。
「LCD関連部材」や「LCDとOLED共通関連部材」は、2019年第3四半期以降にTV向けLCDの生産調整などもあり、低迷する品目もでてきた。今後は車載ディスプレイや高付加価値LCDに向けた部材の伸びに期待する。
市場規模は、「LCD関連部材」が2019年見込みの2兆7734億円に対し、2024年は2兆8413億円。「LCDとOLED共通関連部材」は、2019年見込みの9216億円に対し、2024年は9702億円と、それぞれ予測した。
富士キメラ総研は関連部材の中で、「フォルダブル用カバー材料」と「QD(量子ドット)関連」の2つを、注目市場として挙げた。フォルダブルスマートフォンに搭載されたディスプレイ用カバー材料として期待するのは、透明ポリイミド(PI)フィルムとフレキシブルガラスである。透明PIフィルムは、2019年見込みの34億円に対し、2024年は392億円と予測した。フレキシブルガラスは現在わずかだが、2024年に63億円規模を見込む。
QD関連部材には、LCDバックライトユニットに用いる「QDシート」や、光源の青色光を赤色光や緑色光に変換させるための「QDインク」がある。市場規模はQDシートが2019年見込みの200億円に対し、2024年は407億円。QDインクはまだ開発用のサンプル出荷のみだが、2022年以降に市場が立ち上がり、2024年は529億円規模となって、QDシート市場を上回ると予測した。
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