NECは、D帯(130〜174.8GHz)の周波数帯域を用いて、伝送速度10Gビット/秒の屋外無線伝送実験に成功した。
NECは2020年3月、D帯(130〜174.8GHz)の周波数帯域を用いて、伝送速度10Gビット/秒の屋外無線伝送実験に成功したと発表した。5G(第5世代移動通信)あるいはそれ以降の無線通信システムに開発した技術を適用していく。
NECは、通信データの大容量化に向けて、D帯に対応するRFICを新たに開発した。このRFICは、増幅器や周波数変換回路などを集積している。開発したRFICを石英基板上にフリップチップ実装するRFモジュールも同時に開発した。実験に用いた屋外無線装置には、このRFモジュールと変復調部などを搭載している。
互いに向かい合う装置の送受信周波数は、それぞれ142GHzと157GHzに設定した。リンク距離は150m、変調方式は128QAM、変調速度1.6Gbaudによる10Gビット/秒伝送の条件で実験を行った。この結果、エラーフリーでの信号通過を確認した。
さらに、約1kmのリンク距離で4カ月を超える長い期間、無線伝搬特性についての実証実験を行った。NECは、これらの実証実験で得られたデータを基に、5G基地局用バックホール回線やフロントホール回線向け装置の早期実用化を目指す。
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