成長の機運が高まっているローカル5Gだが、構築する上での技術的な課題も残っている。コアネットワークの仕組みだ。現時点での5Gは、3GPP Release 15で定義されているNSA(Non-Stand Alone:制御信号はLTEで、データ信号は5Gで送信する方式)が主流になっている。つまり、ローカル5Gを構築するためには、ベースとなるコアネットワークはLTEで構築する必要があるということだ。
西原氏は、「今後、リリース15/16でSA(Stan Alone)が定義されれば、5Gのコアのみでローカル5Gネットワークを構築できるので、よりシンプルになるだろう」と説明する。「これはインフラ側の話ではあるが、デバイス側(工場のロボットなど)でもNSA、SAをサポートする必要があるので、NSAからSAへの移行がいつのタイミングになるのかが、ローカル5G市場にとってはポイントとなる」(同氏)
もう一つ、これまでにはなかった点として、OT(Operational Technology)とICT(Information and Communication Technology)の融合が加速していくことが挙げられる。西原氏は「装置のオペレーターが、無線通信などのテレコム業界や、ICTの運用についての知識やスキルが求められるようになってくると考えられる」と語った。
日本ではこれから成長していくローカル5Gだが、海外ではプライベートLTEは既に導入が進んでいて、ノキアも130社以上のプライベートLTEを世界で展開している。「鉱山や空港、風力発電所、港など、通信事業者が基地局を設置していない所を中心にプライベートLTEの構築が進んでいる」(西原氏)
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