東北村田製作所、鹿沼工場を2022年3月に閉鎖:電池事業の基盤強化が狙い
村田製作所の子会社である東北村田製作所は、2022年3月に鹿沼工場を閉鎖する。鹿沼工場が担当していたリチウムイオン二次電池電極の生産などは、東北村田製作所本宮工場が引き継ぐ。
村田製作所は2020年6月、子会社の東北村田製作所が鹿沼工場を2022年3月に閉鎖すると発表した。鹿沼工場が担当していたリチウムイオン二次電池電極の生産などは、東北村田製作所本宮工場が引き継ぐ。
村田製作所は、2017年9月にソニーから電池事業の拠点であった郡山事業所などを含め、法人向け電池事業を買収した。村田製作所の100%出資子会社となった東北村田製作所は、一次電池や二次電池などの開発と設計、製造を行う。現在、国内事業所として郡山事業所や本宮工場、鹿沼工場がある。
村田製作所はそれ以降、電池事業を中核事業と位置付け、グループ全体で経営の効率化を目指すなど、事業基盤の強化に取り組んできた。また、村田製作所が強みとする電源技術と旧ソニーの電池技術を組み合わせた蓄電システムの開発などにも取り組んでいる。
こうした取り組みの中で、生産の最適化と抜本的な固定費の節減を狙いとして、2021年5月に鹿沼工場での生産を終了し、その後閉鎖することを決めた。鹿沼工場閉鎖に伴う業績への影響は軽微だという。
- 新型コロナ影響で2020年度は減収減益に、村田製作所
村田製作所は2020年4月30日、2020年3月期(2019年度)通期決算および、2021年3月期(2020年度)通期業績見込みを発表した。同社は2020年度、売上高は前年度比6.8%減の1兆4300億円、営業利益は同17.1%減の2100億円、純利益は同18%減の1500億円の減収減益を見込んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などを踏まえたもので、同社会長兼社長の村田恒夫氏は、「極めて先行きが不透明な中、短期的な経営のインパクトの最小化と、中長期的な成長機会の備えの両面を意識しながら事業運営を行っていく」と述べた。
- 村田製作所、3D MEMS慣性力センサー製品を拡充
村田製作所は、3D MEMS慣性力センサー「SCCシリーズ」として、「SCC3100/SCC3200シリーズ(4軸)」と「SCC3300シリーズ(5軸)」を新たに追加した。自動車の横滑り防止装置(ESC)などの用途に向ける。
- 村田製作所、産業機器向け24V電池モジュール
村田製作所は、独自のリチウムイオン二次電池「FORTELION(フォルテリオン)」を採用した産業機器向け「FORTELION 24Vバッテリーモジュール」(LIPY041WWPCSY6)の量産を始めた。
- AIチップ「Edge TPU」搭載のAIモジュールを開発
村田製作所とGoogleは、Googleの組み込みAIチップ「Edge TPU」を実装したエッジデバイス向けAIモジュール「Coral Accelerator Module」を開発した。2020年6月以降に、Google Coralウェブサイトより購入することができる。
- 村田製作所、中国の主要製造拠点の操業を2月10日に再開
村田製作所は2020年2月10日、同社の中国の各拠点について、新型コロナウイルス感染症の影響による操業状況を発表した。
- 電池事業を本格化する村田製作所、蓄電池工場を公開
村田製作所が、電池事業の展開を本格化させている。ソニーの法人向け電池事業を買収して約2年が経過した2019年8月28日、東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)を報道関係者に公開。技術融合による初製品である「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明した。
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