村田製作所、3D MEMS慣性力センサー製品を拡充:高性能化と設計の自由度を高める
村田製作所は、3D MEMS慣性力センサー「SCCシリーズ」として、「SCC3100/SCC3200シリーズ(4軸)」と「SCC3300シリーズ(5軸)」を新たに追加した。自動車の横滑り防止装置(ESC)などの用途に向ける。
新製品の外観
村田製作所は2020年5月、3D(3次元) MEMS慣性力センサー「SCCシリーズ」として、「SCC3100/SCC3200シリーズ(4軸)」と「SCC3300シリーズ(5軸)」を新たに追加した。小型化や高機能化が要求される自動車の横滑り防止装置(ESC)などの用途に向ける。
新製品は、独自の3D MEMS構造と検知機構により、優れたバイアス安定性や広帯域の信号検知能力、高い耐振動性を実現している。また、外形寸法が10.4×7.65×2.3mmのパッケージに、3軸加速度センサーと角速度センサーを集積するなど、高密度実装を可能にした。
フェイルセーフ機能も充実している。「レファレンス信号を用いたモニタリング」や「通信異常やビットエラーを検証するためのチェックサム」「サチュレーションやオーバーレンジなど異常信号の検出」などに対応している。また、MEMS素子内部の動きから信号回路全体までの適切な動作を検証できる独自の自己診断機能も搭載した。
新製品は、自動車向け機能安全規格「ISO26262」に準拠しており、「ASIL D」システム開発に対応する。車載用電子部品の信頼性規格「AEC-Q100」にも準拠している。2020年12月末より、順次量産を始める予定だ。
新製品の主な仕様は、電源電圧3.0〜3.6V、角速度測定範囲は±300度/秒、加速度測定範囲は±6g(オプションで±15gの測定も可能)、フィルター設定(角速度、加速度とも)は、13/20/46/200/300Hz(一部製品の加速度は46Hzまで)から選択できる。動作温度範囲は−40〜110℃。
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