図7に、2002年〜2019年までのHuaweiの売上高および営業損益の推移を示す。売上高も営業損益も、ほぼ右肩上がりに成長しており、この17年間で売上高は約58倍の1230億米ドルになり、営業損益は約52倍の約111億米ドルになった。驚くべき急成長を遂げているハイテク企業である。
Huaweiの事業は、通信基地局が含まれるCarrier Business、クラウドサービスなどを含むEnterprise Business、スマートフォンなどを主力とするConsumer Businessの3本柱で構成されている(図8)。
この中で、Consumer Businessが飛躍的に成長していることが目を引く。また、3分野の中では事業規模が最も小さいEnterprise Businessも売上高を伸ばしている。その一方で、2016年以降、Carrier Businessの成長が止まっている。これは恐らく、米国によるハイテク戦争の影響を大きく受けているからだろう。
実際、Huaweiは、2019年末時点で、世界の約70%の国と地域で5G通信基地局の導入を進めつつあった(図9)。ところが、TSMCがHuaweiに半導体の供給を停止することが報じられた後に、英国とフランスが相次いでHuaweiの5G通信基地局を導入しないことを表明している。
次は、図10に、Huaweiの地域別売上高を示す。中国市場の売上高が驚異的に成長していることが分かる。米国がHuaweiを攻撃すればするほど、中国人は愛国心の故にHuaweiのスマートフォンを買うということを聞いたことがある。また、中国は、国策として5G通信網を整備しようとしているため、Huaweiはその恩恵を受けていると思われる。
一方、中国に次ぐ規模の欧州、中東、アフリカ市場は、2018年から2019年にかけて微減となり、アジア太平洋と南北アメリカ市場は、売上高規模が小さく、あまり成長していない。Huaweiの売り上げ規模が最も小さな米国がHuaweiを攻撃するというのは、何となく理不尽のような気もする。
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