矢野経済研究所は、ADAS/自動運転用センサーの世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)を調査した。市場規模は2020年見込みの1兆1112億円に対し、2025年は2兆4808億円に達する見通しだ。
矢野経済研究所は2020年10月、ADAS(先進運転支援システム)/自動運転用センサーの世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)を調査し、発表した。市場規模は2020年見込みの1兆1112億円に対し、2025年は2兆4808億円に達する見通しだ。
今回の調査は、乗用車や車両重量3.5t以下の商用車に搭載されるレーダーやカメラ、超音波センサー、LiDARといった各種センサーモジュールを対象とした。自動化レベル4以上のMaaS(Mobility as a Services)車両や、人が乗れないLSV(低速車両)に向けたセンサーは対象外とした。調査期間は2020年7〜9月。
ADAS/自動運転用センサーの世界市場規模は、2017年より拡大基調が続いており、2019年に1兆3602億円となった。AEB(自動緊急ブレーキ)機能の標準搭載が日米欧地域で進んでおり、中国でも搭載車種が増えているという。特に、77GHzミリ波レーダーやセンシングカメラの出荷数が増加している。このため2019年は、24GHz準ミリ波レーダーを含むレーダー市場が4608億円に、リア/サラウンドビューカメラを含むカメラ市場は8086億円となった。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年は世界の新車販売台数が大幅に落ち込む。特に欧州や米国では20%以上の落ち込みとなる。このため、ADAS/自動運転用センサーの世界市場規模も、2019年に比べ18.3%減少する見通しとなった。
2021年からは回復基調に戻ると予測した。2025年に向けてADAS装着率が高まり、ADAS用レーダーやセンシングカメラの出荷数量が堅調に推移するとみている。調査によれば、2025年までにADASの装着率は、日米両国で90%、欧州で80%、中国で70%を超えると予想した。
この結果、2025年のADAS/自動運転用センサーの世界市場規模は2兆4808億円と予測。このうちレーダー市場は、ハンズオフ(手放し)機能を搭載する車種の拡大などにより短距離レーダーの出荷量も増え、8505億円規模に達するとみている。
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