矢野経済研究所によると、車載用半導体の世界市場は2019年見込みの314億1000万米ドルに対し、2030年は586億1000万米ドル規模に達する見通しである。
矢野経済研究所は2020年4月、車載用半導体の世界市場を調査し発表した。2019年見込みの314億1000万米ドルに対し、2030年は586億1000万米ドル規模に達すると予測した。
今回調査した車載用半導体は、主にECU(Electronic Control Unit)などへ搭載されるマイコンやSoC、MEMSセンサー、CMOSイメージセンサー、レーダー用半導体、パワー半導体/パワーモジュールなどである。調査期間は2019年10〜12月。専門研究員らが半導体メーカーや自動車メーカー、電装品メーカーへの面談などを行いまとめた。
調査結果によれば、2018年の車載用半導体世界市場は、310億9000万米ドルとなった。前年に比べ6.0%の増加である。この中で市場規模が大きいのは、ECUの電源回路などに用いられるアナログICだという。そしてマイコン、センサー、パワー半導体、メモリと続く。
2019年は、314億1000万米ドルの市場規模を見込む。前年に比べ1.0%の増加である。新車販売台数がマイナス成長となり、マイコンやアナログIC需要の伸びが鈍化した。一方で、ADAS(先進運転支援システム)やxEVに向けたセンサー、パワー半導体、メモリなどの需要が堅調に推移した。
2030年に向けてもADASや自動運転、xEV、コネクテッドカーを実現するためのセンサーやパワー半導体、メモリの需要拡大は続く見通しだ。特に、カメラ用CMOSイメージセンサーやレーダー用送受信チップの量的拡大に期待する。また、2026年以降はSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の採用も本格化する見通しである。
こうした動きを背景に、車載用半導体の世界市場規模は、2025年に437億7000万米ドル、2030年は586億1000万米ドルになると予測した。中でも注目する製品の1つがパワー半導体である。従来のモーター制御用途に加え、LEDライトや48V化、ADAS/自動運転向けなどの需要がパワー半導体市場を押し上げると分析している。
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