2021年2月13〜22日にオンラインで開催される、半導体業界最大級の国際学会「ISSCC 2021」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で今回は全てのセッションをオンラインで行う。会期以降も同年3月31日までオンデマンドで聴講が可能だ。今回は、注目論文を紹介する。
2021年2月13〜22日にオンラインで開催される、半導体業界最大級の国際学会「ISSCC 2021」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で今回は全てのセッションをオンラインで行う。会期以降も同年3月31日までオンデマンドで聴講が可能だ。
ISSCC ITPC Far East Regional Subcommitteeは2020年11月に、ISSCC 2021の概要と、ISSCC 2021がカバーする12の技術領域で発表される注目論文を紹介した。今回は、それらのうちの一部分を取り上げる。
「RF」では、「中国と韓国の活躍が顕著だった」(RF領域説明担当の広島大学・天川修平氏)という。無線通信のマルチバンド化、高周波数化、広帯域化のトレンドを反映した発振器やPLL(Phase Locked Loop)、パワーアンプ、テラヘルツ回路技術に関連する論文が多く寄せられたとする。
注目論文の1つ目は、University of Electronic Science and Technology of Chinaの論文で、番号は[20.2](Session 20の2本目という意味)。複数の電圧制御発振器をマルチポートのトランスフォーマーで相互接続するというもの。その際、高調波を考慮して波形を整形することで、3.09GHzで−138.9dBc/Hz(1MHzオフセット)の低位相雑音と、195dBc/Hzの高いFoM(Figure of Merit)を達成した。
2つ目は、[32.7]番の東京工業大学(東工大)の論文。32.768kHzという標準的な水晶基準信号源から、2.4GHz帯の周波数を生成した点が評価された。
「ワイヤレス」では、ミリ波、テラヘルツ派関連の高い周波数帯域に関する論文が目立った。セルラーSoC(System on Chip)では低消費電力化が進展した。Samsung Electronicsは[6.1]番の論文で、14nm FinFET CMOSを用いたSoCで、114mW/CCのLTE電力を達成したことを報告する。その他、「ワイヤレス」カテゴリーのトレンドとして、CMOSプロセスで100GHz以上の周波数帯を用いたセンシング/イメージングや、超低消費電力無線の高感度化や小電力化のさらなる進展がみられたという。
東工大は[22.2]番の論文で、200GHz以上の周波数帯で動作する広帯域CMOSフェーズドアレイを実装し、動作を実証したことを紹介する。その他、オランダ・デルフト工科大学や、米国カリフォルニア大学バークレー校が、極めて低消費電力の送信技術を報告する。
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